「コンテイジョン」見たよ


香港で、接触感染で広がり数日で命を落とすほどの強力な新種ウイルスが発見された。またたくまにアメリカや日本にも感染は拡大。アメリカ疫病予防センターと世界保健機構は調査とワクチン開発を急ぎたいが、世界中に広がったパニックを抑制することに追われてしまう…。

『コンテイジョン』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。

新種のウィルスが爆発的に広がってしまい、世界中の人たちが困っちゃうというお話でしたがおもしろかったです。
感染が一気に拡大していく様子の説明描写が簡潔ながらもとても伝わりやすいことにはとても感心させられましたし、市民に不安が広がって暴徒と化してしまうまでの流れがとても自然で説得力があったところもたいへんよかったです。


とりわけ、市民に不安が広がって行くシークエンスを見ていたら、地震原発におびえていた当時のことを思い出してしまいまして、なんだか決して他人事ではないよなと思わずにはいられませんでした。


それとおもしろかったのは、ジュード・ロウ演じる自称フリージャーナリストの胡散臭さ。
これはなかなかよかったです。
ブログやSNSなどネット上で得た人気をよりどころとして、現実にも影響を与えるような発言力をもとうとする人って実際にいるわけですが、正直そういう人の大半ってうさんくさいんですよね。


日本でも原発問題が出て以降はそういう人がものすごく増えましたよね。
あまり具体的にアカウント名とか挙げると怒られそうなのでぼんやりとした表現にとどめておきますが、原発関連のデマをまきちらすなんとか管理人とか、門外漢なのにブログで放射線のことを語っているなんとか大学の先生などがそのよい例です。


原発パンデミックにかぎった話ではなく、緊急事態になると不安定な情勢を嗅ぎ付けて怪しげな人たちが闊歩しだすのはこれはもう世の常といってもいいのかも知れないなとこの作品を観ながら思ったのでした。世紀末になるとノストラダムスとかの予言を勝手に解釈していろんなこと言い出す人が現れますし、他人の不安を食いものにする人というのはいつの世にもどこの場所にもいるもんだと思うしかないですね。


そんなわけで、パンデミックそのものの描写もそれなりにおもしろかったのですが、それ以上にところどころに組み込まれていた現代っぽさを醸し出す演出がかなりよい作品でした。すごくよかった。


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