本当はコメントで返信しようと思ったのですが、あまりに長くなったのでエントリーを起こして返信します。
まずはエントリーへの言及ありがとうございました。
今回のエントリーを拝読して、id:ngswさんは個人と企業のコスト負担のバランスを非常に大事にされているんだなということが分かりました。昨日わたしは「id:ngswさんはコスト意識が高い」とブログで書かせていただきましたが、「対等である個人と企業は等しくコストを負担しなければならない」という意識があるからこそ、客側が不快な思いをしたというコストを皿を割ることで支払わせるという発想になるのでしょうし、それは大変おもしろい*1と感じました。
前のエントリーのとおり、わたしはid:ngswさんの理屈が間違っているとは思いませんがその意見をわたしは支持できません。
その理由をちゃんと書くと、「コスト換算の結果が違い過ぎて客側のコストを過剰評価している」ことと「とは言え、コストに関する認識を合わせるなんて面倒」という2点に集約できます*2。
まずひとつ目の「客側のコストを過剰評価している」という点についてはもう文章そのままですね。
つまり今回のようなオーダー漏れのあった件についてわたしが想定している客側の負うコストは支払うコストや食べられるというメリットに比べて無視しうるくらい小さいので、正直どうでもいいレベルです。でもid:ngswさんが想定している客側の負うコストは決して無視できるものではなさそうでして、それがわたしからみたら過剰評価とか思えないのです。
100万円の買い物をするときに10円、20円の差は気になりませんが、10万、20万の違いは気になります。その違いなんですね。
そしてふたつ目の「認識を合わせるのは面倒」というのも読んでそのとおり、いちいち数値化されてないコストを明確にしてすりあわせてまでバランスをとろうという考えがそもそもめんどくさいのです。
もちろん、すべてを正確にコスト換算してその不平等を正そうという考えは理屈としては間違ってないと思います。ただ、例えば大勢で飲食したときの代金を割り勘する時に、1円の端数まで計算して払うのが面倒だと思う人もいるでしょうし、ちゃんと計算して分担したいと思う方もいると思いますが、それをいちいち調整してやるのは面倒なんです。つまりそれにもコストがかかるし、それを負担したくないんですよ。
そんなわけでわたしの意見をまとめまるとこんな感じです。
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- 客の負うコストを過剰評価して皿をひっくり返すことを正当化している
- とはいえ、コストをいちいち計算してどうすべきか考えるのは面倒
id:ngswさんはコストの比較など客観的に検証することができる形で皿をひっくり返す行為の正否を問おうと頑張っておられるのにたいして、あくまで自分の感じたことだけで片付けようというわたしの浅慮さが浮き彫りになるまとめです...。さすがおれ。
結局のところわたしとid:ngswさんの一番大きな違いは問題のとらえ方なんだと思います。
わたしは客と店員個人の問題ととらえ、ごく私的なやりとりで解決すべき事案と考えているのに対して、id:ngswさんは「この元増田を短絡的に非難することは、企業の無責任さを看過することにはならないか」というタイトルを掲げているとおりもっと大きな枠組みの問題として考えています。わたしから見ると、そのとらえ方自体が過剰であっておおげさだと感じるし、個人対個人もしくは個人対スタッフという枠組みの中で、理屈ではなくお互いの歩み寄りで解決できるんじゃないの?と思うというのがわたしなりのまとめです。