- 作者: 森絵都
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/08/04
- メディア: 文庫
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やっぱり罠にはまった。そんな気がする。ふとした光景から人生の可笑しさを巧妙にとらえる森絵都マジック。たとえばドバイのホテルで、たとえばスーパーマーケットで、たとえば草野球のグラウンドで、たとえばある街角で…人生の機微をユーモラスに描きだすとっておきの11篇。
http://www.amazon.co.jp/dp/4163278303
すべて概ね10ページ程度の短い話ばかりが掲載された短編集ですが、さすがにいずれもおもしろい話ばかりで以前読んだ短編集である「ショート・トリップ」を彷彿させられました。身近なようでいて、意外に遠いところの話のようでもあって、でも確実にこの地球や宇宙のどこかにはありそうなというかあって欲しいと思ってしまうそんな世界を文字だけであっという間に構築してしまうのはやはりすごいなと言わざるを得ません。
ただ、個人的には森さんの書く文章については短編よりも長編の方が好きなんですね。
このくらいの短さの物語だと、せっかく作った設定が浮き上がってみえる前に終わってしまってものすごくもったいないし物足りないと感じてしまいます。短編の方が読みやすくはあるのですが、やはり文庫一冊におさまるくらいの長さの物語を切望したいです。
ちなみに、わたしは「銀座か、あるいは新宿か」と「あの角を過ぎたところに」がすごく好きでした。
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