「赤ずきん」見たよ


大人になった赤ずきんヴァレリーアマンダ・セイフライド)。彼女はいま、危険な恋の真っ只中。野性的で男らしいピーター(シャイロー・フェルナンデス)と、細やかな優しさで包んでくれる親が決めた婚約者ヘンリー(マックス・アイアンズ)。ヴァレリーの心は、正反対の二人の間で揺れていた。そんな中、彼女の姉が何者かに殺されてしまう。魔物ハンターとして有名なソロモン神父(ゲイリー・オールドマン)は、犯人は満月の夜だけ狼に変わる人狼だと言い放つ。やがてヴァレリーは犯人の真の目的は自分を連れ去ることだと知る。果たして、彼女を狙う者は誰なのか?最愛のピーター、それともヘンリーか?愛と恐怖に引き裂かれるヴァレリーを待ち受ける、驚愕の真相とは――。

『赤ずきん』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


観に行った理由の8割がアマンダ目当てという不純な動機で観に行ったのですが、予告をみて感じた印象どおり、いやむしろ期待していた以上におもしろかったです。ただ、ストーリー的なおもしろさというよりも、画的な魅力やところどころに差し込まれた小ネタがすごくよかったなというのがわたしの受けた印象でした。ストーリーもそれなりによかったけど、基本、序盤でほぼ結末が見えてしまうタイプのお話なので、構成や演出意図は汲み取りますが意外性があるかどうかという点についてはあまりそうは思えませんでした。


本作一番の見どころは、圧倒的にすぐれた色彩感覚で描かれる映像の美しさ。
「中世ヨーロッパの小さな村」的な空気をとてもよく再現していてもうそれだけでもすごくグッときたのに、"雪の白さ"と"ヴァレリーの赤い上着"に代表されるような鮮やかなコントラストの色彩が編み込まれた映像はあまりにすばらしくて、終始作品の世界に引きずり込まれっぱなしで抜け出せませんでした。


あともうひとつおもしろかったのは、原作といっていいのか分からないけど、あの有名な「赤ずきん」のエッセンスをいくつか散りばめていた点です。たとえば「お婆さんの耳は大きいのね」と聞けば「お前の声をよく聞くためだよ」と答える有名なやりとりや、オオカミのお腹に石を詰めるところなど、原作の中でも特に印象に残りそうなシークエンスが作品に組み込まれていたのがよかったなと。
ただ、ちょっとうがった見方をすれば「赤ずきん」というタイトルをつけてしまったことに対する言い訳がましさも感じるわけですが、わたしはこういう原作への絡み方はすごくいいなと思いました。


オオカミは決して特別な存在ではなく、誰でもその心の中に飼っているんだぜ!


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