「ガリバー旅行記」見たよ


古くから広く親しまれているジョナサン・スウィフトによる古典「ガリヴァー旅行記」を3D映画化。ストーリーは現代に翻案され、主演のジャック・ブラックバミューダ・トライアングルで不思議なリリパット国の島を発見する紀行作家を演じている。

『ガリバー旅行記』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。3D吹替版で鑑賞。


原作のエッセンスをうまく抽出して現代に溶け込ませたストーリーはとてもシンプルで面白かったですし、何よりもジャック・ブラック演じるガリバーの「調子に乗りやすい小心者」という、まるで自分を観ているようなキャラクターのいたたまれなさが身に染みました。
好きな女性に声をかけることすら出来ないくせに居ないところでは「いつでも口説ける」と大口をたたくところとか、その場の勢いで相手の調子を合わせてしまい泥沼にはまってしまうところなど、もうダメ過ぎて共感しまくりですよ。
なにこの俺っぽいダメさ加減は...。
さらには入社したばかりの後輩にも説教されて自己嫌悪に陥るガリバーの気持ちを考えると超いたたまれません。恋空より泣けます。


そんな自分自身への不信感だらけのガリバーだからこそ、小人の国で多くの人に必要とされたことを嬉しいと感じる気持ちが引き立つわけです。誰だって、自分が今のままで必要とされる場所にいたいと思うし、自分自身でさえも必要とされることを肯定的に想像出来ない人間であれば余計そう思って当然。
あまりにガリバーにとって好都合な展開だったので、観ている途中から「これはもしかしてガリバーが見ている夢なんじゃないか?」と本気で思ったくらいなのですが、ガリバーの視線で観ていたわたしにとってはとてもニヤニヤしてしまう楽しい作品でした。


観終わった後に胸に幸せな気分が残る作品ってすごくいいと思います。好き!



ただ、3Dについては正直微妙過ぎるくらい微妙でがっかりしました。
中盤以降の数分間、めがねを外して観てみたのですが、ちょっとぼやけてるかなくらいの違和感しか覚えなかったのでたぶんその程度の3Dなんだろうなと。「飛び出なければ3Dじゃない!!」とか叫ぶつもりはまったくないんですが、あんなんでも+400円の料金を取るってのは正直どうなのよと思ったわけですよ。今回は鑑賞する時間の関係上、どうしても3Dしか観れなかったのですが、今後3Dしか選べない状況になった時に果たしてどうなるのかという疑問がふつふつと沸いてきました。疑問っていうか、怖いなっていう気持ちかな。
そのあたりについては今月5日から始まったTOHOシネマズの料金改定に関するエントリーの際にでも書こうと思います。


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