「ウォール・ストリート」見たよ


由緒あるケラー・ザベル・インベストメンツに勤めるジェイコブ(シャイア・ラブーフ)は順風満帆な人生を歩んでいた。資産は増え続け、恋人のウィニーキャリー・マリガン)とも順調だと思われた。ところが突然会社が経営破綻。資産が全て水の泡になってしまう。黒幕の存在を知ったジェイコブは、ウィニーの父で元カリスマ投資家ゴードン(マイケル・ダグラス)に接触を図る――。インサイダー取引を題材にした『ウォール街』('87)の続編。

『ウォール・ストリート』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


お金を稼ぐことがすべてである金融の世界に生きる人たちと、その世界の異様さを描いた作品。
人間が先天的に持つ欲深さというものがあるのかどうかという点について考えながら鑑賞しました。


人間が生きる上で「欲求」を持たずにいることはとても難しいです。
三大欲求と言われる「食欲」「睡眠欲」「性欲」に始まり、他者に認めてもらいたいという承認欲求など、さまざまな欲求を抱えながら生きています。誰もが当たり前のようにもっているものなのです。
ところが、「欲深い」とか「強欲」いう言葉が否定的な意味を含む表すとおり、欲求が強いことは一般的にはあまりよいことではないと受け止められています。もちろんそれが程度の問題だというのはわかりますが、欲望を表に出すことはあまり肯定的には受け止められませんし、欲を持つこと自体をよしとしない原理主義的な人たちも少なからずいます。


じゃあ、欲を持つことがよくないのか?というと決してそうじゃないと思うんですよね。
例えば人は食べないと死んじゃうから食欲は必要ですし、眠らないと脳が休めないのでこれまた体が大変なことになってしまいます。性欲もあまり強すぎるとアレですが、みんなが性欲を持たなくなってしまうと子孫は作れないし、コンビニでエロ本が売られなくなったりするしでとても由々しき大変な事態に陥ってしまいます。
それに、何か欲しいものがあったりやりたいことがあれば、それを目標に頑張ろうという気力が沸いてきますし、それは生きる気力へとつながります。逆にそういう欲求が何もないまま生きることはとてもつまらないし、そう考えると欲求ってすごく大事だよなと思うわけです。


本作で示されるような強欲な人間を観ていて感じるのは、個人の持つ欲求の方向や強さというのは人それぞれ異なるけれど、経験的にそれらは生活環境という後天的な要素がとても色濃く反映されるということです。似たような欲求をもつ人は似たような家庭環境で育っているということを証明する客観的なデータはありませんが、そう考えること自体はさほど不自然ではないと思っています。


では、逆に先天的な影響はあるのかどうかということについて考えてみたのですが、これがまたよくわからない。
果たして人は生まれながらに欲求の種のようなものをもっているのかどうか、観ながらそんなことにとても興味がわいてきてしまいました。


ただ、ひとつ残念に思うのはこの作品は「ウォール街」の続編だということを知らずに見てしまったことです。
ウォール街」に関係した作品だというのは知っていたのですが、てっきりリメイクだと思ってたんですよね。。。リメイク元なんて知らなくていい!と思ってたら続編だったとは...。「ウォール街」にもマイケル・ダグラスが出ている時点で気づいてもよさそうなんですけどねえ...。


そんなわけで思う存分楽しめなかった一番の理由は、前作を知らないからだと思いますので、前作未見の方はぜひそちらを観てから本作を観ることをおすすめします。

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