1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書 (Sanctuary books)
- 作者: 山崎拓巳
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2010/08/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なぜ、あの人は1日にあんなに多くの仕事をイキイキとこなせるんだろう?この本でズバリ解明!やるべき事に囲まれて、やりたい事に手が届かないあなたへ。一流の実業家たちが毎日実践している、簡単セルフ・コーチング術。
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昔、机の上に人形を置いて一人で会議をしていると噂されていた人が会社にいたのですが、その時の噂のされ方と言うのは決して前向きな評価ではありませんでした。たしかに「一人で会議をする」と聞くとあまりよい場面は想像出来ませんし、どちらかと言えば何となく怪しげな、そして不穏な空気が漂ってきます。一人でゴニョゴニョと独り言をつぶやいてるようで怖いですよね...。
そんなわけで、本書のタイトルを見た時にも上述したような怪しさを感じたのですが、パラパラとページをめくってみたら全然そんな怪しさは感じられませんでしたので安心して手に取ることが出来ました。
さて本題。
本書が提案するのはタイトルにあるとおり「ひとり会議」なのですが、それによって何を実現しようとしているのかと言えば「自分の仕事を整理する時間を作る」ということです。たしかに会議をすると言っても、多数決を取ったり新しいアイディアを募ったり出来るわけではないので、自分の仕事の仕分けが唯一できることであって当たり前と言えば当たり前なのかも知れません。
では、自分がいまアサインされている仕事を仕分けしようといざ考えた時に、それが簡単に出来るという人はとても少ないと思います。
どの仕事も同じくらい大事だろうしそれらに優先順位を付けること自体がなかなか難しいからです。
例えば、「急ぎじゃないけどやりたい仕事」を優先するのか、それとも「やりたくないけど早く終わらせないといけない仕事」を優先するのかというだけでも悩ましいですし、さらにいうと実際の仕事と言うのはこんなにわかりやすい区切りでラべリングされておらず、もっと複雑に分類されているのです。
だから、大抵の人は"目の前にある仕事を来た順番に処理する"というベースを守りつつ、緊急での割り込みがあればそれを優先して処理しています。わたしが見る限り、そういう人が多いように見えますし、わたしもおおよそそんな感じの仕事の仕方をしています。
話はちょっとそれますが「7つの習慣」という本があります。
- 作者: スティーブン・R.コヴィー,Stephen R. Covey,ジェームススキナー,川西茂
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 1996/12/25
- メディア: 単行本
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この本はかなり有名な本なので読んだことがある方も多いと思いますが、この本の中で自分がやることを緊急度と重要度という2つの評価軸で分けて考える手法が紹介されています。
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- 緊急かつ重要であること (第一領域)
- 緊急ではないけど重要であること (第二領域)
- 緊急かつ重要ではないこと (第三領域)
- 緊急ではないし重要でもないこと (第四領域)
「7つの習慣」の中では、多くの人は第一領域と第三領域に多くの時間を注ぎ過ぎていて一番大事な第二領域が疎かになっていることを問題として提起しています。たしかに目の前の仕事に追われ続けている状況というのは第一と第三領域の対応に追われている状況を表しています。
話を本書に戻しますが、本書が教えてくれるのは「いかに第二領域の仕事に割り振る時間を取れるようにするのか」という方法論であり、その具体的なやり方がうまくまとめられています。個人的には、こういった方法論が具体的過ぎるのは何も考えずに模倣することを推奨しているようであまり好きではないのですが、ただ手順も意図もわかりやすいのですぐにはじめやすいというメリットはあると感じています。
自分のやらなければいけない仕事をうまくマネジメントして、次につながる仕事にアサインする時間をうまく作るための方法論を知る書としてはとてもよい一冊だと思います。
ただ、自分にはちょっと手取り足取り過ぎるというか、もっと投げやりな感じの内容の方が自分で咀嚼して試してみようと思えるのでその点はちょっと趣味に合わなかったなと感じました。
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