「GAMER」見たよ


2034年。天才クリエイターが開発したオンライン・ゲーム「スレイヤー」では、脳細胞手術を受けた生身の囚人がプレイヤーに遠隔操作され、激しい戦闘を繰り広げている。無実の罪で投獄されたケーブル(ジェラルド・バトラー)は「30回勝ち抜けば釈放」という条件にあと1回と迫り、注目を集めていた。プレイヤーはなんと17歳の高校生。だがケーブルは愛する妻と娘に再会するため、【ゲーム】の世界から自分一人の力で抜け出し、最後の戦いに挑んでいく――。

『GAMER ゲーマー』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。
「他人の体にリモートアクセスし、その先での生活を楽しむ」という設定からは、今年の前半に公開された「サロゲート」を彷彿とさせられましたが、サロゲートがリモートアクセスされる媒体がロボットであったのに対して、この作品では生身の人間という点が大きく異なっていてその違いが作品への印象に大きく反映されているように感じました。
設定そのものについては「GAMER」の方が好きですが、作品の主張を一点に絞って尖らせていた点は「サロゲート」の方がとてもよかったし、主張に対する説得力や観終えた時の満足感はサロゲートの方が高かったと感じました。


で、感想をいろいろと書いてみたのですが読み返しても全然面白くなかったので【ここから】【ここまで】の部分は読まない方がよいので読み飛ばしてください*1


【ここから】
基本的な部分は「サロゲート」の感想と被るの改めては書きませんが、この作品を見て思い出されるのはこの世界はまるでインターネットのようであるということです。ただ、サロゲートが「サロゲート利用者個人の狡さ」を露呈していたのに対してこの作品はケン・キャッスルという一人の人間の狡さにしか結びつかなかったという点が大きく異なります。殺し合いを観て多くの人々が喜ぶ様からは結局「サロゲート」と似たようなことも感じたのですが、でもやっぱり作品の印象としては大きく違って見えました。


それと、わたしがどうしても気になった点についてですが、作中で出てくるコンピューターに関する表現があまりに中途半端で気持ち悪かったのです。今から5年後とかいう設定ならまだよいのですが、2034年(つまり24年後)だとしたら到底ありえないような表現が随所に入り込んでいて、そこだけでもかなり萎えてしまいました。


具体的な例を挙げると、ケーブルのプレイヤーであるサイモンがゲームをするために360度をスクリーンで囲まれた部屋へと入っていきます。そのスクリーンには近未来的な画面が並んでいて、メッセンジャーアプリケーションを介して彼にアクセスしてきた人たちが映像として映し出されたり、その映像に対してサイモンがアクションをしたり口頭で命令をするだけで何かしらの処理がされたりしています。このあたりの映像の作り方は本当にすばらしくて、「アイアンマン」で観たようなまさにタンジブルユーザインターフェースともいえるUIで埋め尽くされていたのです。
ところが、その後彼に対して外部からアクセスがあるのですが、その時に彼表示されたメッセージに「クリックしてください」の文字を見た瞬間においおいとツッコんでしまいました。2034年にクリックって...。
これ以外にもラストでも「1クリック」という言葉が踊っていたりと、もう何でその時代でクリック要求するんだよと腹立たしいやら何やらイライラしっぱなしでした。


些末なことかもしれませんが、でもリアリティを追求するならする、しないならしないとした方が観る立場としては一貫性があって気持ち悪くないです。

【ここまで】

こんな感じで率直に申し上げてすごく面白いというほどではなかったのですが、でもわたしはぜひこの作品を多くの人におすすめしたいと思っています。というのも、この作品を観てとにかく驚かされたのが、とにかくおっぱいがいっぱい出てくるということです。

おっぱいがいっぱい

わたしも32歳のいい年した大人なので、いまさらおっぱいが出たくらいで驚いたり喜んだりしませんが、でもこのおっぱい以外の印象を残さないくらいの異様なおっぱいの出しっぷりは一見の価値があると断言できます。
先日、どなたかのブログで読んだのですが「One murder makes a villain; millions a hero. Numbers sanctify(1人殺せば殺人者だが100万人殺せば英雄である。数によって正当化される)」という有名な言葉があるそうですが、誤解を恐れずに申し上げればこのおっぱいも同じ話だと思います。
1回だけおっぱいを出せばそれは卑猥な表現として表現の正当性を問おうとする人たちのやり玉に挙げられますが、100万回もおっぱいを出してしまえば、それはもう正しい表現として誰もそのことの是非を改めて問おうとはしなくなるのです。
むしろそれは当たり前のことやすばらしいことのように錯覚してしまう....というのはさすがに言い過ぎですが、でもたしかにNumber sanctifyだと思うんですよ。いっぱいは正義!


映画が好きな人はとりあえず観といた方がいいと思います。


(関連リンク)


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*1:ただ、せっかく書いたので残しておきます