「パパとムスメの7日間」読んだよ

パパママムスメの10日間

パパママムスメの10日間

イマドキの女子高生・小梅16歳と、冴えないサラリーマンのパパ47歳。ある日突然、「大キライなパパ」と「最愛の娘」の人格が入れ替わってしまったら? ドキドキの青春あり、ハラハラのサラリーマン人生あり。ハートウォーミングな家族愛を描いた笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編。

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ある出来事をきっかけに娘と父親の中の人が入れ替わる...という物語で思い出すのは、最近テレビ朝日金曜ドラマにもなって話題になってる「秘密」。妻が死んで、生き残った娘の中に妻の記憶が入り込むというお話ですが、これがもう超ヘビーな出来事の連続で終始心の休まる暇のない切ない物語でした。作品としては面白いし好きなんだけど、読むのはとても辛いというのがわたしの率直な感想ですが、じゃあママと娘じゃなくてパパと娘を入れ替えてみたら...という設定をやってみたのが本作です。
所詮、母親と父親を変えてみたところでそんなに話の流れは変わらないだろうと思って読んでみたのですが、これがもう予想していた以上にわたしの受け取り方が変わってしまい、かなり戸惑いました。もちろん書いた人が違うわけですから、主張や書きたいことが違うのは当然ですが、もはやそういう次元の"違う"ではなく、父親と母親の役割の違いをまざまざと見せつけられる内容にはとても参りました。
幼い娘を持つひとりの父親としての心構えを正しく示してくれる作品でしたし、これから先訪れるであろう未来に対して相応の覚悟を決めておこうと思いました。


お父さんは辛いな...。


さて。
本作の面白かったところは、中身が入れ替わったことでお互いがお互いの生活を実体験出来たというところです。
よく「相手の立場に立って考えなさい」とかいうけれど、そりゃそれなりに相手の立場に立ったつもりで想像することは出来たとして、果たしてそれが本当に相手の立場を正しく想像できているのかというとほとんどできてないんじゃないかと思うんですよね。
その点、この作品では父親と娘がお互いの立場を実体験し、そうやって得た経験のひとつひとつを糧として互いのおかれている立場に対する理解を深めていくというところがとても説得力があってよかったなと。
やっぱりさあ。やってみないと分からないことってあるんだよね。


こういう入れ替えモノの話は好きなんだけど、「秘密」は悲観的過ぎて読むのが辛い!というひとにはこちらの作品をおすすめします。読みやすいし、とても楽しいです。娘のいない人はぜひ。

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