「白銀ジャック」読んだよ

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

「我々は、いつ、どこからでも爆破できる」。年の瀬のスキー場に脅迫状が届いた。警察に通報できない状況を嘲笑うかのように繰り返される、山中でのトリッキーな身代金奪取。雪上を乗っ取った犯人の動機は金目当てか、それとも復讐か。すべての鍵は、一年前に血に染まった禁断のゲレンデにあり。今、犯人との命を賭けたレースが始まる。圧倒的な疾走感で読者を翻弄する、痛快サスペンス。

http://www.amazon.co.jp/dp/4408550043/

以前どこかで書いたのですが、わたしは秋田生まれ秋田育ちで、さらに大学は山形というさらに雪深い地で6年間を過ごすというまさに雪国育ちのエリートと言っても過言ではないくらいの立場にある人間であるにも関わらず、ウィンタースポーツをひとつもやったことがありません。
世間一般では、東北出身というだけで「酒豪であること」と「ウィンタースポーツが得意であること」を期待することはとても自然であるようで、初対面の方とお酒を飲む時には話のネタとして大抵この2つのうちのどちらかは振られる話題なんですよねー。
そしていつもそういう話題を振られてはその期待には添えず、最後には「本当に東北の人なの?」という疑いの目を向けられる羽目にさえなったりします。


さて。そんなわたしの生い立ちはどうでもよくて、本書はスキー場を舞台にした作品なのですがスキーなんてやったこともなければスキー場に行ったこともないわたしはこのシチュエーションに何も感じることなく読み終えてしまいました。もしかしたら世の中の多くの人は少なくとも一度はスキー場に行ったことがあって、この設定・シチュエーションは多くの人にとって興味深いものなのかも知れませんが、どうもわたしにはいまいち乗り切れなかったんですよね。。。
そもそもスキー場の様子自体がよくわからないので圧雪とかパトロールと言われてもいまいちピンとこないんですよ...。わたしにとって一番身近なスキー場と言えば「かまいたちの夜」というくらい何も情報や思い入れのない状態なので、スキー場と言われてもよくわからんというのが率直なところです。


そんなわけで、いろんな意味で疾走感のあふれる読書体験となりました。
ただ、登場人物が多い割には状況認識がしやすかったのと、物語自体はとてもよく練られてて読み終えてなるほどと素直に思える構成だったのはとてもよかったです。