ぜひ観て欲しい映画

今日はお昼からハホ*1と二人で「おまえうまそうだな」を観てきましたが、これが期待以上によかったです。
草食恐竜に育てられた肉食恐竜が親や兄弟と違うことに悩み、苦しみ、自分の本質と向き合って受け入れるまでを描いた前半もよかったのですが、成長して親元を離れてから今度は自分が草食恐竜の父親となってどう立ち振る舞うべきかに葛藤する後半もすごくよかったです。


これ、恐竜を題材にしていますが、本質的には人間にそのままあてはまるテーマだと思うんですよ。
人は赤子として生まれてきたときは真っ白で無垢なんだという人もいますが、わたしは決してそうとは思わなくて生まれた時点でその人らしさというものを備えていると思います。もちろんその後の育った環境の影響も大きいのですが、そういった後天的に変わる可能性のある部分とは別に、先天的に備わっている要素もすごく大きくて、いくらそれが気に入らないからといって変えようとしても変えられるものじゃないものが誰にでもあるのです。
人それぞれに先天的な差異があることについて容認できる人は少なくないと思いますが、ですが、もしもその差異が他者の存在そのものを脅かすほどの脅威であった場合であったとしても両者が肩を寄せ合って生きることは出来るのかどうかと問われると首肯出来ない人が多数だと思うわけです。
そんな両者の共存は果たして本当に不可能なのかどうかということを考えながらしみじみ見入ってしまいました。


ちゃんとした感想はあとでまとめるとしてとにかくとてもいい作品だったということを述べたわけですが、いかんせん本作は原作が絵本だということと絵柄がとてもかわいいということもあって、どうしても子ども向けの映画ということで映画好きな人にはスルーされがちです。
観た感想としては子どもよりも大人(しかも子持ちだったら余計におすすめ)におすすめしたい作品でして、これを読んでも眉唾なのは重々承知していますが、とりあえずだまされたと思ってぜひ観に行っていただきたいなと。


逆に就学前の子どもにはちょっと怖いシーンが多かったようで、隣に座ってた女の子は終始お母さんに泣きついていたし、途中退場をする子も結構多かったのでお子さんに見せるのはちょっと検討した方がよいかも。

*1:長女