「グリーン・ゾーン」見たよ


ロイ・ミラー(マット・デイモン)と彼の部隊は、隠された大量破壊兵器の所在を追う極秘任務に就くが、アメリカ国防総省のパウンドストーン(グレッグ・キニア)の思惑によって、肝心なところで手がかりを奪われてしまう。国防総省の動きに疑念を感じたミラーは、部隊を離れ単独で調査を開始。飛び交う偽情報と激しい銃弾戦をすり抜け、「真実」を追い続ける男の戦いが始まる――。『ボーン・スプレマシー』、『ボーン・アルティメイタム』のマット・デイモンポール・グリーングラス監督の再タッグで贈るアクション大作。

『グリーン・ゾーン』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


イラク戦争の真実、いわゆる陰謀論を題材とした作品ですが「114分間、あなたは最前線へ送り込まれる」という売り文句は決して誇張表現ではなく、観ている間中、主人公のミラーとともにイラクを駆け回っているような気分になるほど臨場感ある作品でした。あまりにリアリティを出そうとし過ぎたあまりいどういう状況なのかさっぱりわからないこともしばしばでしたが、そういった荒削りに見える部分の演出もふくめてとても見せ方のうまい作品だなという印象を受けました。
戦争モノというのは結構苦手なことが多いのですが、これはすんなりと物語に入り込めたし、内容も受け入れることが出来ました。
最近見た戦争映画だと「ハートロッカー」が思い出されるのですが、個人的にはあちらよりもわかりやすくておもしろかったです。


本作をおもしろいと感じた一番のファクターは「戦争はなぜ起きたのか?」「戦争は正しかったのか?」という、現実に大勢が不思議に感じているけどあえて声高に主張出来なかったことにあえて言及している点にあると言えます。大量破壊兵器を見つけると言ってたのにまったく見つからなかったときに覚えたあの違和感。もしイラクに非がないのであれば、なぜあの戦争が起こってしまったのか。大義名分はあったけれど、果たしてそれは本当だったのか。
もちろんこの手の陰謀論はネットではよくみかける代物ですし、珍しいとは言えません。むしろありふれたものだと言えます。それでも、その主張を映画の主題に据えてひとつの作品として形にして世に送り出すことにはそれなりの意味があるとわたしは思うし、あとは観た側がどう受け止め考えるのかということにゆだねてよいと思うのです。
自国の禁忌とも言えるトピックにあえて言及する作り手の姿勢、そしてそのような自国批判につながる可能性のある作品も何の問題もなく商用公開される自由さというのは、アメリカのいいところだよなと改めて感じました。


時間があればもう一回観たいなー。

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