神々が世界に君臨していた時代。熾烈な権力闘争の末、人間と王たち、そして王たちと神々が戦う事態に陥る。だが、その戦いが神と神の戦いになれば、世界は破滅しかねない。神々の王・ゼウスの息子として生まれながら人間として育ったペルセウスはひとり、冥界の王ハデスを倒し、世界滅亡の危機を救うために立ち上がる。忌むべき悪魔や恐るべき獣たちのとの戦いが待つ禁断の世界が、その壮絶な幕を開ける――。
『タイタンの戦い』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。
「3D版は字幕しか飛び出してない」とtwitterでつぶやかれていたのを観て戦慄したのですが、でも予告のさそりと戦うシーンはとてもかっこよかったし、この映像が飛び出たらすごくおもしろいんじゃないかと期待せずにはいられなかったので、それなりの覚悟をした上で観に行ってきました。結論からいうと映像が飛び出て見えないということはなかったのですが、でも過去に見た3D作品がいかに頑張っていたのかということがすごくよくわかる映像でした。
「アバター」や「アリス」のように映像を立体的に見せることで物語の舞台となっている世界に引き込むわけでもなく、はたまた「ファイナル・デッドサーキット」のようにアイテムが飛び出てきそうに見えて観客を驚かせるわけでもない、とりあえず3Dにしてみた以上の意味はなさそうな映像にはちょっとがっかりしてしまいました。
終始3D作品ならではのよさが感じられなくて、結局一番飛び出て見えたのは字幕だったという、twitterの情報がほぼ正しかったことを実感したというのがわたしの感想でした。
ただ、映像そのものはとてもきれいでしたので、2D版で観れば映像のすばらしさを味わえてとても楽しいと思います。
たぶんですが。
さて。映像はそんな感じでしたが物語自体はとてもシンプルで、ちょっと前に公開された「パーシージャクソン」と同じく、神と人間の間に生まれたデミゴッドがハッスルするという内容でした。
神ゼウスが、創造主である自分に人間が歯向かってきたことに怒って罰を与えようとするところから物語は始まるのですが、こういった作品を観ていつもわたしが思うのは、こんなささやかなことでぶちぎれてしまう神様ってあまりに短気すぎやしないかということです。なめられたからキレるなんてのは田舎のヤンキーと同じくらいの程度でしかなく、仮にもこの世を統べる存在があんなに沸点が低くてよいものなのかどうか疑問でなりません。人間ごときと言いつつそれも許せない器の小ささや、人間と神の合いの子として人間界に住む自分の子どもに天下りならぬ天上りを勧める親バカさなど、あまりに知能レベルが普通の人間と同レベルすぎて「こいつは本当に神さまなの?」という疑惑がわいてきます。もしかしたら観た人をだますのは「シャッター・アイランド」だけではなく、実はこの作品も見た人をだます構成になっていて、例えばゼウスは神なんかじゃなくて近所にいる普通のおっさんだったりして...と考え出してしまうとそこにいる自称神様軍団全員がいかがわしい奴らに見えてくるのです。しばらくそういう目で見ていると、あれが神の集まりではなく地区の寄り合いで集まった人たちのようにも見えてきておかしかったのですが、でもまあそういう目で見ちゃいけないですよね...。すいません。
ダイナミックに画面中を動き回る迫力ある映像(3Dとかは全然関係ない部分)はすごかったし、ストーリーも大筋ではわかりやすくておもしろかったです。楽しい娯楽作品でした。
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