「ジュリー&ジュリア」見たよ


ニューヨークで暮らす派遣OLのジュリー(エイミー・アダムス)は、料理人のジュリア・チャイルド(メリル・ストリープ)が50年前に試みたように、フランス料理をマスターしようと決意。ジュリアの遺した有名料理本の全レシピに挑戦する。そして、料理の深い愛情とジュリアの導きによって腕を磨き、365日で524の全てのレシピを制覇したジュリー。ジュリアの教えを吸収した彼女は、料理に対する情熱をもって自分自身の人生にも大きな変化を起こしていく ――。

『ジュリー&ジュリア』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


「何かひとつのことを長く続けてみたい」という考えをもつことは多くの人が通る道であるようでして、現実の世界でもネットの中でもそのような言葉を発する人をよく目にします。そしてわたしもそんなありがちな願いを抱いた時期がありまして、その時はこんなエントリ(続けるのって大変)をアップしたのですが、この日以来ブログの更新を続けようと心に決めたわたしは一日も途絶えることはなく更新を続けていて今日で862日目になります。
年に換算すると約2年半くらいですのでまだまだ大したことがないとは思っていますが、それでもよくまあ続いてるよなと思うこともあります。
で、実際に続けてみてわかったことが3つほどありますので、参考までにまとめてみようと思います。

1. 大変なのは最初の間だけだということ

始める前は「長く続けること」ってものすごく大変そうに感じられます。わたしも毎日ブログの更新なんか出来ないよと思っていましたし、実際にやってみてもたしかに大変でした。何にも書くことがないのに何か書かないといけないときのプレッシャーというか絶望感は本当に圧倒的です。
でもそう感じたのも長く見積もっても最初の3ヶ月くらいだけでして、それを過ぎたらもう大変と感じることはほとんどありませんでした。


最初は大変かも知れませんが、それにもいずれ慣れます。そして一度慣れてしまえばそれはもはや日常の一部となるのです。

2. 続けることそのものには意味も価値もないということ

で、続けてみてわかったのは"続ける"という行為そのものには何の意味も価値もないということです。
これは今から何かを続けようという人にはちょっと残念なお知らせですが、続けることそのものには何の意味も価値もないのです。「止めずに続けたらご褒美がもらえる」という約束を誰かとしているのであれば別ですが、何かを継続してやり続けるだけでは何も生み出しません。ただ続けるだけで満足というのであればそれでも構いませんが、続けるだけで自分に関わる何かが急速に変わるなんて思っていると拍子抜けしてしまいます。
このことは継続すること自体を手段ではなく目的としてとらえている場合を想像してみれば分かりやすいと思うのですが、つまり続けること自体が目的になっている以上、それ以外の何かの価値や意味を生む必然性がないのです。
そうではなくて、最後に結果を得るための手段として続けるという行為がある場合にのみ"続ける"という行為に意味や価値が生まれるのです。

つまり、「何かを長く続けたい」という思いつきで始めたことを続けたとしても何も変わる保証はありません。

3. それでも続けることで絶対に何か変わる

これは2.の内容と矛盾するようですが、"続ける"のが手段ではなく目的であった場合でも続けることで変わるものが必ずひとつはあります。これは当然のことで、何かしらアクションを起こせば、それに見合ったリアクションが生まれるというそれだけのことなのです。
例えば健康のためにと毎日1,2km程度歩いていても劇的に体重が減ることはありませんし、さほど体力がつくわけでもありません。ですが、それでも多少は足に筋肉がついて基礎代謝は上がりますし、いつも同じ時間に同じ道を歩くと顔見知りが出来たりします。変化というにはあまりにささやかで目に見える効果とはいえないかも知れませんが、それでも何かは必ず変わります。
それがその人の望む変化かどうかはわかりませんが、少なくとも何もしないよりは確実に変化は訪れます。


ちなみにわたしがブログを続けたことで変わったことは、自分の考えていることを文章としてまとめることが好きになったこととブログのアクセス数が増えたこと、そして時間の使い方がうまくなったことです。これまたささやか過ぎる変化ばかりですが、でもこの変化はとても好ましいと感じています。

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さて。前置きが超長くなりましたが、本作はジュリーが有名料理家であるジュリアの料理本の全レシピを一年間で全部作ってみることを考え、そのプロセスをブログに載せようと思いついたところから始まります。ところが最初はただ作って夫に食べてもらうだけで楽しかったジュリーですが、ブログが思いのほか反響が大きくなっていったことをきっかけに、料理を作り続けるモチベーションを保つためのものだったブログへの掲載が手段ではなく目的に変わり始めます。そしてそのあたりからいろんなことがうまく立ち行かなくなってしまうのです。
そんな状況に陥ったジュリーが、さぁどうしよう....と悩む姿、心境は似たような経験のあるわたしにはすごく共感をつよくおぼえるものだったし、彼女の機微が表情や行動からもとてもよく伝わってきてその細かさ、丁寧さに感服しました。彼女の表現力の豊かさはすばらしいし、特に怒った顔がとてもキュートでたまりません。彼女にだったらぜひ怒られてみたいです。
率先して叱られたい。


つよいインパクトのある作品ではありませんでしたが、すごくおもしろかったです。


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