「日本人の英語」/「続日本人の英語」読んだよ

日本人の英語 (岩波新書)

日本人の英語 (岩波新書)

「冷凍庫に入れる」はput it in the freezerなのに「電子レンジに入れる」だとput it in my microwave ovenとなる。どういう論理や感覚がこの英語表現を支えているのか。著者が出会ってきた日本人の英語の問題点を糸口に、従来の文法理解から脱落しがちなポイントをユーモア溢れる例文で示しつつ、英語的発想の世界へ読者を誘う。

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続・日本人の英語 (岩波新書)

続・日本人の英語 (岩波新書)

アメリカ人は日本人をthe  Japaneseというのに自分たちをthe  Americansとはいわず,Americansというのはなぜだろう.「読めるけれど書けない」とよく言われる日本人の英語だが,どこまで的確に読み取っているのだろう.楽しい文例と徹底比較を通じて英語の新しい世界を広げてくれる,ベストセラー『日本人の英語』の待望の続編.

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2年前に会社の研修でシアトルへ行ったのがわたしの初海外だったのですが、そのときに一番印象に残ったのはご飯の微妙さや欧米系女性の美しさではなく自分の英語力とコミュニケーション能力の低さでした。道に迷っても歩いている人に聞くことも出来ず*1、ものすごくかわいい子がいても声もかけられず*2、もともと失う自信さえはなかったはずなのですがそれでもそれなりに出来ない自分の実態と向き合って落ち込んだのでした。


それで反省して英語の勉強をすればよかったのですが、なぜかわたしは「自分が英語を話せないのは場数を踏んでないから」とか「数日間いただけじゃ無理で当然」みたいな言い訳を考えてそれを受け入れてしまった挙句、「英語なんて単語と文法、あとはイディオムをおぼえれば余裕でしょ」という甘い考えのもと、大して努力をすることもなく2年後の今日という日を迎えているわけです。
そんな状態ですからもちろん英語なんて以前と同じくほとんど話せないし、聞き取ることも出来ません。ドキュメントは読んでいたので、リーディングくらいは出来ますがそれだけです。


これじゃあイカンと心を入れ替えて英語を勉強する第一歩として「日本人の英語」と「続日本人の英語」という本を手にとって見ました。本書は単なる言葉として英語/日本語を変換するためのテクニックに関するではなく、日本語圏と英語圏の文化の違いに起因する言葉のニュアンスや使い方の違いを丁寧に説明してくれます。theやaを付けたり付けない場合の言葉のニュアンスの違いや類似の意味を持つ単語が指し示す細かい言い回し、意図の違いは非常に興味深いです。例えばこのニュアンスの違いをあまり意識せずに英文を日本文に訳したとしたら全然ダメなのかというと意外にそうでもなくて、それなりに訳文自体はほとんど変わらないというのはなかなかおもしろい点ではないでしょうか。


ではそういったひとつひとつの違いを知ることは意味がないのかというともちろんそんなことはなくて、当然会話をするときにはそのような細かなニュアンスを意識して発言することはとても大事ですし、むしろ言い方や言い回しというのは円滑にコミュニケーションを取るためには意識せざるを得ないファクターであることは言語の違いに依存しないことであるといえます。
ただ、異なる言語間にはぴったりと対応する言葉があるわけではないというのも非常に悩ましいところでもあるということが本書を読んでよく理解できたし、母国語を他国語に翻訳するさいにはそういった単純な変換で処理できない場合が少なからずあるようなのです。



「続日本人の英語」では特に映画の日本語訳が取り上げられていましたが、限られた文字数で言語を置き換えないといけない字幕は本当にむずかしいものであり、元の言葉の魅力、ニュアンスを残したまま翻訳することがいかにむずかしいかということがとてもよく理解できました。やっぱり字幕じゃなくて英語で物語を理解できれば一番いいんだよなー。



英語を話せるようになるためには、単語や文法を学ぶだけでなく文化の違いを理解することもとても大事な要素であり、そして英語で女性をナンパできるようになるまでの道のりは果てしなく長いことがよくわかりました。
英語は母国語との対比として学習すべきものではなく、英語は英語として理解すべきものであることがとてもよくわかりましたt。

*1:何て聞いていいのかわからない

*2:これは日本でも無理