「エデンの東」見たよ

エデンの東 [DVD]

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1917年、アメリカ合衆国カリフォルニア州サリナス。この町に住むトラスク家の次男ケイレブ、愛称キャルは、度々町を抜け出しては15マイル離れた港町モントレーに行き、モントレーの一角でいかがわしい酒場を経営しているケートをこっそりと尾行していた。

エデンの東 (映画) - Wikipedia

TOHOシネマズ宇都宮にて。午前十時の映画祭にて鑑賞。


自分自身もそうなので余計そう感じるのかも知れませんが、兄弟というのは同じ環境で育ったくせになぜこうも性格が違ってしまうのか本当に不思議でなりません。同じ親の元に生まれて、同じご飯を食べて、同じ教育を受けて育ったはずなのに、決して同じような人間にならないばかりか、むしろ正反対の性格になって互いに互いを苦手と感じるような間柄になってしまうという事実は本当に不思議だし、理解に苦しみます。


以前、この作品と同じように兄弟の確執を描いた「ゆれる」を観たときに「この兄弟はうちにそっくりだなー」と、映画で描かれている状況がわたしの置かれている状況に似ていることに共感をおぼえ、そしてその一致は偶然であると理解してその偶然性を楽しんだわけですが、本作を観て50年以上前に撮られたこの作品で既にこの兄弟の確執がテンプレート的に描かれているという事実から、この事象が決して特別なものではなく過去から現在に至る過程で変わることのなかった普遍的なテーマであることをうかがい知ることができます。


観ているだけで鬱陶しいさを感じるほどの善良さをかざして周囲に撒き散らしている兄は、観ているだけでもいらいらするのですが、そんな兄は自由奔放に生きる弟を意識しすぎた挙句、あのような結末に至ってしまうことに同じく弟を持つ兄としてとてもいたたまれない気分になりました。固定概念にとらわれずに自らの意思を貫く弟への嫉妬が渦巻く兄。実直さを武器に親の愛を一身に集める兄に嫉妬心を燃やしてしまう弟。兄弟なんだから仲良くすりゃいいのにめんどくさいなあ....と他人事のように思ったのでした。


前半を観ていたときは「ジェームス・ディーンがかっこよかったのは昔の話だよなー!!」と思っていたのですが、中盤以降は彼の立ち振る舞いが一気に魅力的に感じるシーンが多くて一気に引き込まれました。彼は時代を超えても伝わる魅力ある存在だと感じたのでした。