悪魔は最近調子に乗り過ぎだと思う


悪魔と聞くといったいどういったことを思い浮かべるでしょう?
以前、わたしは悪魔と聞くとそれはこわい存在だと思っていました。
もし町中で悪魔に出会ってしまったとしたら、出会いがしらに首をへし折られてしまうくらい暴力的だとさえ思い込んでいたのですが、それが何による印象なのかは今でもわかりません。ただ、とにかく心の底から悪魔をおそれていたわけですが、最近観た映画から得た情報では、どうも悪魔というのは怖いというよりもっと小賢しくて陰湿なものとしか思えなくなってきました。


例えば、昨年11月に公開された「スペル」では、逆恨みをした婆さんがラミアという悪魔の呪いをクリスティンにかけたのですが、このラミアは「呪いをかけられた相手を地獄に引きずりこむ」というおそろしい存在でありながら、地獄に連れ出す前の3日間は相手を徹底的にこわがらるという陰湿な一面ももちあわせています。
突如現れて部屋の中をひっかきまわしたり、鼻血が止まらなくしたりと、死ぬわけではないんだけどやられるとものすごく嫌な気分になる地味な攻撃をしかけてくるのです。


あと、昨日から公開されている「パラノーマル・アクティビティ」もそう。
こっちは悪魔かどうかは意見が分かれるところでしょうが、わたしは悪魔だと思っています。これは作中でのそのように明確にそう言われているわけではなくて一説のひとつに過ぎないのですが、寝ているところを大きな音で起こされるとか、扉が急に閉められるとか、家を揺らすとか、写真に傷をつけるとか、作中で起きる出来事のひとつひとつの地味な嫌らしさにわたしは悪魔らしい陰湿さを感じるわけです。「あー、このやり口は絶対悪魔だな」というくらいに姑息な方法で人間を追い込んでいくのです。


ただ命を奪ったり地獄に連れて行くというだけでも忌み嫌われるには十分なのに、あえてその前に嫌がらせをするその根性がどうにも気に食わないんですよねえ。悪いなら悪いなりに、こうビシッとして欲しいというか、チマチマ嫌がらせをするのはぜひ止めていただきたいし、最近の悪魔は調子にのりすぎだと思うのでぜひ悪魔がいいようにやられる映画が観たいと思ったのでした。