「HACHI 約束の犬」見たよ


アメリカ、郊外のベッドリッジ駅。ある寒い冬の夜、迷子になった秋田犬の子犬を偶然保護したパーカー・ウィルソン教授(リチャード・ギア)は、妻の反対を押し切り、その子犬を飼うことにする。そして、その子犬は、首輪についていたタグに刻まれていた漢字から“ハチ”と名づけられた。パーカーのあふれるような愛情を受けてすくすくと成長していくハチは、いつからか、夕方5時になるとベッドリッジ駅までパーカーを出迎えるのが日課となっていた。一人と一匹の間に育まれた深い愛情と信頼は、これからもずっと続いていくと思われていたが…。フジテレビ開局50周年記念作品。監督は、『ギルバート・グレイプ』や『ショコラ』のラッセ・ハルストレム。実在した忠犬ハチ公の実話を映画化した『ハチ公物語』('87)のリメイク版。

『HACHI 約束の犬』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。


私が小学生の頃、リメイク元となった作品を地元の市民文化会館(地元の市には映画館が一館もないんです)で観たことがあります。
ハチが死んだ主人を迎えに行き続けるという行為に感動するよりも、何だか報われなさがあまりにかわいそうで泣いてしまった記憶が残っています。一緒に観に行った3つ上のいとこは全然興味がなかったようで終始あくびをしたり休憩になったら走って出て行ってしまってたことも覚えてるなー。
とにかくあまりよい思い出がないというか、とにかく悲しい物語だという印象をつよく持っていたのですが、このリメイク作品を観てその思いが払拭された気がします。とてもぐっとくるよい作品でした。


この作品を観ていて感じたのは、この物語は舞台となったこの時代だからこそ生まれたものだよなあという気持ちです。
例えばハチはいつも首輪なし、飼い主不在の状態で町中を歩いているのですが、途中肉屋でソーセージを分けてもらったり道行く人に声をかけられたりしながら家と駅の間を歩き回っているわけです。現代であれば、こんな状態で犬を飼い置くことは到底出来ず、ちょっとしたら保健所に通報されたり、飼い主に強烈な苦情が飛んでいっておしまいです。とてもじゃありませんがこんな感動的な物語は生まれる余地はありません。もし現代で同じようなことがあったとしても、飼い犬が死んだ主人を待っているなんて話は美談にもならず終わってしまうんじゃないかという気がしています。
周囲に気を配る余裕のある人が多い時代だからこそ生まれることが出来た物語なのだと改めて感じました。


ハチがどうとかそういうのではありませんが、8時半の電車に乗って17時到着の電車で帰ってくるなんていうのんびりと過ごせる時代に一度住んでみたいなということを感じました。


唯一、非常に残念だったのが字幕版ではなく吹き替え版だった点です。
ヒカリ座は吹き替え版しか上映してなかったんですよねえ。夢にまで見たリチャード・ギアの「ハァァチィィ!!」が聞けなくて本当に悲しかったのですが、しょうがない。頭の中で声を置換しながら鑑賞しました。
やっぱり字幕版観たかったなあ。


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