幼い頃からいつもビリッけつの沼尻ひろ子は、人も羨むリッチなイケメンと、なんとか結婚にこぎつけた。しかし、結婚式の前日、ひろ子はアパートの大家さんを誤って殺害してしまい、結婚を逃さないために、死体を隠すという大胆な行動に出る。死体を捨てるために向かった富士の樹海で、ひろ子は何度自殺を試みても死ねないという小林福子と出会う。そして、福子がひろ子の死体の処理を手伝う代わりに、ひろ子が福子を殺すという交換条件で、二人の逃避行が始まる。果たして、”どうしても結婚したい女”と”どうしても死にたい女”の運命は…!? 俳優・岸谷五朗の監督デビュー作。
『キラー・ヴァージンロード』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。上野樹里最新主演作+岸谷五朗の初監督作品。
「久々に上野樹里が見られるんだぜ!!」と喜び勇んで観に行ったのですが、冒頭に叩きつけられた異様なまでのテンションの高さにまったくついていけず、さらにどんどん加熱するテンションに心底憔悴してしまい、もう楽しむのは諦めて寝てしまおうかと本気で悩んだくらい置いてけぼりをくってしまいました。
その後、木村佳乃が出てきたあたりから話は急激に落ち着きを取り戻し、そこからはなんとか楽しく鑑賞出来たのですが、それにしてもこのテンションの抑揚はものすごいなと感心せずにはいられませんでした。たとえが悪いのですが、まるで躁うつ病の人と会話しているような危うさが感じられました。
最終的には面白かったのであえてこんなことを書くのはとても申し訳ないのですが、でも序盤のあのテンションについていく事は多くの人にとっては厳しいのではないかと感じました。
わたしは上野樹里が大好きだし、特に彼女のコメディエンヌとしての魅力には同年代の女優の中では追随を許さないほど圧倒的だと確信しているのですが、その彼女をもってしてもあの一連のシーンを楽しく見せることは到底叶わなかったのです。劇場内の冷ややかな反応からもそのことがうかがえたのですが、なぜ最初にあれだけの高いテンションを突きつけたのかという点については本当に不思議なんですよね...。
と、前半部分の疑問についてはとりあえず置いておくとして、上に書いたとおり木村が出てきてからのこの作品の面白さというのは本物でして、終始クスクス笑いながら、そして時にはウルウルさせられながらの鑑賞でした。
とりあえずこれから観ようという人には「とにかく前半は耐えろ!!」と伝えてあげたいです。
さて。本作の中でとても気になったことがあって、それは上野と木村を妙に性的な視線で撮っていたのです。
例えば、木村が転んだりベッドに寝転ぶシーンではスカートがやけにめくれてしまうのだけれど彼女はそれにはまったく気にせず振舞ったりして絶対何か*1見えていたし、上野にしてもラストでアロハのワンピースでスキップするシーンなんか間違いなくチラチラしていてそればかりが気になってしまいました。
この撮り方はいったい何なのだろうとわたしは不思議でならないし、なぜここでそんなサービスをする必要があるのかというのがとても気になりました。
そりゃ男ですからこういうのがあるとドキドキして嬉しくないわけではないし、撮ったのだって映画を作った人が見たかったと言われたらそれまでなんですが、正直そういう方向性は期待していなかったので何だかなと感じました。
楽しい作品だったらそれだけで十分だと思うんだけどな。
木村と上野のチラリに興味がある人にはお勧めです(嘘)
公式サイトはこちら
*1:何かについては具体的に言及しませんし、そもそも本当に見えたかどうかはわからないです