思い出してしまう曲

重松清の「あの歌がきこえる」を読んでから、わたしは昔、いったいどんな曲を聴いてたんだっけなー?と気になったので記憶漁りを始めました。小学生の頃はほとんど思い出せませんでしたが、それ以降は何となく思い出してきたので書き記しておこうと思います。
超長いので、続きを読むに隠しておきます。


中学生のころ

わたしが中学生だったのは1991年くらいからなのですが、当時わたしの周りではユニコーンとかJUN SKY WALKER(S)、あとはBOOWYLINDBERGが大人気でした。あとB'zが好きだって人もいたなあ。
その頃はあまり音楽に興味がなかったせいか、部活で仲がよかった友達が好きだったユニコーンをメインで聴いていました。
あとはMi-Keという3人組の女性アイドルトリオがひそかに好きでして、その中の宇徳敬子がとくに大好きでした。今でも「想い出の九十九里浜」は名曲だと思っています。


ただ、当時を思い出す曲と言われてもパッと思い当たるものがありません。
そもそもあまり音楽に興味がなかったというのもありますが、その頃周囲ではバンドブームみたいな雰囲気が出来上がっていて、メジャーバンドの追っかけをしている人やもてたいとか注目されたいという理由でバンドをはじめる人(BOOWYコピーバンドがほとんど)がいたりしてそんな空気になじめなかったのもひとつの理由かも知れません。


ユニコーンの「服部」「ひげとボイン」というアルバムあたりはすごく好きですけど、これとその時の思い出が結びついたりはしなくて、あくまで当時聴いてたなあという程度の思い出になっているくらいです。

服部

服部


高校生のころ

高校に入ったのが1993年なのですが、当初は中学時代の名残と言うかいきなり変わるわけもなく、特にこれだという音楽もなく過ごしていました。ただ、入って早々に友達になったヒロシに薦められたB'Zや、ユーイチロウにこれ絶対いいからと宣言されてCDを渡されたBUCK-TICKを聴いているうちに、地味ではありますが音楽が日常に入り込み始めました。


そして英語のヒアリングの練習になるかと思って聴き出したカーペンターズをきっかけに突如洋楽に目覚めたのもこの頃。


ナウ・アンド・ゼン

ナウ・アンド・ゼン


どれがよいかなんて全然分からなかったので、とりあえず気になったのは手当たり次第に聴いていたのですが、その中でもマライア・キャリーセリーヌ・ディオンバーシアの3人はすごく好きでした。


ラヴ・ストーリーズ

ラヴ・ストーリーズ


Sweetest Illusion

Sweetest Illusion


その後、カーペンターズと間違って買ってしまったカーディガンズをきっかけにスウェーデンポップも好きになりかけたのですが、このときはあまり深入りするはありませんでした。カーディガンズは大学生になってからもう一度マイブームが訪れるのですが、それはまた後ほど。


エマーデイル

エマーデイル



そして高校2年生の2学期くらいからなぜかセックス・ピストルズにはまってしまいました。

ザ・ベスト・オブ・セックス・ピストルズ

ザ・ベスト・オブ・セックス・ピストルズ

そもそも、これまで平和な音楽を聴いてきたわたしがなぜこのようなオフェンシブな音楽を聴いてみようと思ったのか、そのきっかけがまったく思い出せないですが、たぶん「ファンキーな音楽を聴いてる→かっこいい!!」という中二病みたいな思いつきで聴いてみたら本当にはまってしまったとかそんなことなんだろうと思います。
理由はともかく、ものの見事にピストルズにはまってしまったわたしは、そこから数ヶ月パンクにあこがれてちょっとアナーキーになりました。元々控えめな性格でしたので、アナキズムへ傾倒したとしてもそれは非常にささやかなものであり、突然反抗された当時の担任は覚えているかも知れませんが他の周囲の人はだれも気付いてなかったのではないかと思います。
当時の担任とはこの時期まではとてもうまく付き合っていたのですが、この時期を境にとても仲が悪くなりました。理由はもちろんわたしがアナーキーになったからです。



そんな遅れてきた反抗期のような時期を過ぎて受験を間近に控えた高校3年生の夏に、My Little Lover(以下マイラバ)の「Hello, Again 〜昔からある場所〜」という曲を聴きました。それまでもマイラバの楽曲は聴いたことがあったのですが、小林武史が何となく作ってみたユニットだという印象しか持っていませんでした。
ところが「Hello, Again...」は本当にすばらしい曲でして、もうそれまで好きだったすべての楽曲がかすんでしまうくらいの衝撃でした。シングルCDが出てからの3ヶ月くらいは毎日この曲だけをリピートして聴いていました。そして12月に出たアルバムは卒業するまでも、そして卒業してからもずっとずっと聴き続けたのです。


evergreen

evergreen


「Hello, Again...」を聴き始めた頃は、片道20km近くある通学路を自転車で通っていたのですが、この楽曲を聴くだけであの風景が自然と思い出されるくらい聴きこみました。


当時からこれ以上好きになれる楽曲はあるのだろうかと疑問だったのですが、いまだにこの曲よりも好きな曲には出会っていませんし、たぶんこれからも出会えないんじゃないかなと思っています。それは曲の良し悪しではなく、聴く側であるわたしの感受性の問題が大きいと思うのですが、それはここでは割愛。


同時期に「青い車」という曲を耳にしたことをきっかけにスピッツも大好きになりまして、短期のアルバイトをしてお金を貯めてアルバムを全部買い集めました。


青い車

青い車


結局はスピッツマイラバが一番落ち着くことに気付いて、これらを聴きながら受験勉強をしていたために今でも勉強をする時はマイラバとかスピッツをかけてしまいます。



その後、センター試験や大学入試試験を受けたときに気付いたのですが、洋楽を聴いてても英語のヒアリングにはほとんど役に立たないという当たり前のことが理解出来ました。
そもそも日本人が日本語で歌っている場合でも何を歌っているのか分からないときがあるじゃないですか。
それを考えると音楽をとおして英語の勉強をするというのは正しくないか、もしくは効率がよくないとは思うんですよね、たしかに。別に、きっかけがヒアリングに役立てばいいなと思ったというだけで本気でヒアリングの練習に...なんて思っていたわけではありませんが洋楽を聴いている→聴いていない人よりはヒアリングが得意!という短絡的な思い込みもあったので気づいた時は少し寂しくなりました。


高校時代を振り返ると学年ごとに好きな音楽ががらりと変わっているのがとてもつよく記憶に残っています。
この当時聴いた楽曲は私の中ではとても大事な曲ばかりです。

大学生のころ

大学入学は1996年です。当時は安室奈美恵が出てきた頃で、同じ大学に入学した高校時代の友達が彼女に熱狂していたことを思い出します。「おれ、こういう顔が小さい子じゃないと好きになれない!!」と断言しておきながら、どうみても顔が小さくない子と付き合い始めてびっくりしたのも懐かしい思い出です。そりゃ、安室奈美恵見たいなのは無理だろうけど、俺の方がよっぽど顔小さいよ...。


さて。
大学に入るとアルバイトも容易に出来るようになったので*1、お金もたくさん手に入るようになりまして、CDを買うお金には困らなくなりました。アルバイト代はおおよそ月に10万円くらいもらっていて、3万円くらいは音楽関係の出費に当てていました。
毎月アルバムを5枚から10枚くらい買っていたために気付けば自宅はCDだらけになってしまいました。大学4年間と大学院の2年間でおよそ350-400枚くらいのCDが手元に残りました。当時はCDをリサイクルショップなどで処分するということも考え付かなかったし、何よりせっかく買ったCDを売るなんてことは思いもよりませんでした。


大学時代も基本的にはマイラバスピッツは大好きで、シングルやアルバムが出ればすぐに買って聴いていました。もうこれは今でも聴き続けているくらいの定番でして、私は本当にこの人たちの楽曲が好きなんだなと思い知らされる思いです。
じゃあ、それ以外はどうなの?と考えてみると、実はほとんどが記憶にないのです。400枚弱のCDを買っておきながらそのほとんどを覚えていないというのはさすがにどうかと思いますが、でも、当時は質よりも量に偏って音楽を消費していたのは間違いないことであり、そのような音楽の聴き方がよろしくなかったのかも知れないと反省してしまいます。


というわけで、いくつか印象に残っているのだけをまとめます。


まず大学に入学して早々に出会ったアラニス・モリセット


ジャグド・リトル・ピル

ジャグド・リトル・ピル


初めて聴いたときのインパクトは未だに忘れられません。声そのものは湿度が低くて耳に入りやすいのに、でもまとわりつくような歌い方なのでとても耳に残る歌手だという印象を受けました。声に強さがあるのもすごく好みでした。


で、その後昔カーペンターズと間違って買ってしまったカーディガンズのCD(エマーデイル)を改めて聴く機会があったのですが、その際にスウェーデンポップの魅力に目覚めてしまい、同バンドのプロデューサーをしていたトーレ・ヨハンソンつながりでクラウドベリージャムにはまりました。


エマーデイル

エマーデイル


クラウドベリー・ジャム

クラウドベリー・ジャム


ただ、カーディガンズクラウドベリージャムも、セカンドアルバム以降があまり好みではなくてその後はまったく聴くことはありませんでした。


で、大学1年生の冬くらいから岡本真夜が気になりだしたのですが、きっかけが何だったのか思い出せません。
彼女は、わたしが高校3年生のときに「TOMORROW」でブレイクしたのですが、当時は終わりかけではありましたがアナーキーな生き方を志していた時期でしたので彼女の楽曲にはまったく目もくれずにいました。で、一年半後にビビッときたんだと思います。覚えてないけど。


そんなわけできっかけは覚えていないのですが、でも彼女の楽曲への傾倒ぶりはかなりのものでして、生まれて初めてコンサートに足を運びました。その時のことは「バス停が好き」という記事に書いたのでここでは省略しますが、彼女が結婚して第一線を引いてからもずっと好きで聴き続けるくらい大好きでした。
最近はすっかりご無沙汰なので、今度CDを掘り返して聴いてみようかな。


あとは大学4年生の時に、一緒にアルバイトをしていた友達から教えてもらったガーデンズもすごくよかったです。


A Place in the Sun

A Place in the Sun


HORIZON?millennium album&SINGLES?

HORIZON?millennium album&SINGLES?


大学院を出るまでの3年間、継続的に聴いていたのですが、当時マコ*2と同棲していたので彼女も強制的にこの音楽を聴かされていました。好きでもない音楽を延々と聴かされるなんて今思うとちょっとかわいそうな気がしますが、一緒に住んでいるのですからしょうがないです。


もうひとつ大学4年生の時で思い出すのは、教育実習に行っていたときに一緒に実習をした人に教えてもらって聞き始めたDragon Ashも結構聴きました。


Viva La Revolution

Viva La Revolution


ただし、わたしはあまりアウトローな性格ではありませんので、そういった点で思想の不一致みたいなものはあって、自然と聴かなくなりました。



あとは大学院の時は実験をするために県外に行くことも多かったのですが、その移動や移動先でよく聴いていたのは「倉木麻衣」や「椎名林檎」かな。


Perfect Crime

Perfect Crime


無罪モラトリアム

無罪モラトリアム


ただ、この頃になるとものすごく好きだから聴いているというのではなく、何となくそのとき一番気になっているのを流しているだけという状態でした。


そんなわけで、大学6年間は数はさまざまな音楽を聴いたけれど記憶に残っているものはさほど多くないですねー。


就職してから...

働き始めてからは、お金はあるけれどCDを買う暇がないといった状況が続きまして、ほとんどCDを買わなくなりました。
入社当時は寮に入っていたのですが、寮にはコンポなどは持ち込まなかったので音楽を聴く手段はCDウォークマンしかありませんでした。ですので、部屋に誰かが尋ねてくると当然聴くことは出来ないし、そのまま遊びに出かけてしまうことも多くて音楽を聴く暇がありませんでした。
そもそも、音楽に興味がなくなったというのが一番の理由かも知れません。


そんな生活を一年間続けた後に、結婚するために寮を出てアパートに住み始めました。
それでも音楽から離れて過ごしていた時間が長かったからか、すぐには以前のように音楽を聴こうとはしませんでした。
唯一とても聴いたのは小谷美紗子のQuarternoteというアルバムです。


Quarternote~THE BEST OF ODANI MISAKO 1996-2000

Quarternote~THE BEST OF ODANI MISAKO 1996-2000


友達に進められたのかネットで見つけたのかは覚えていませんが、「火の川」と「永遠にねむる」という曲がものすごく気に入って繰り返し繰り返し聴いていました。特に「火の川」は結婚式当日、披露宴会場に向かう車の中でリピートしていたこともあって、とても印象に残っている曲です。



その後1年で長女が生まれたのですが、この頃ちょうどiPod miniが出始めた頃でして、音楽が聴けるということにはあまり固執していなかったのですが何となく流行り物を買う感覚に憧れて買ってしまいました。


iPodを使い始めるとiTune Storeを当然見るようになりましたが、iTune Storeで初めて音楽の試聴をオンラインでするという経験をしました。この便利さにはかなり驚いてしまったわたしはあれこれ聴いては次から次へと買いあさりました。
気軽に試聴出来るようになったことで、久しぶりにたくさんの音楽に触れ、音楽のある生活というものの良さを認識出来たことがよかったのだと思いますが、とにかくこの頃からまた音楽を聴き始めました。
iPodを買っていなければ、いまだに音楽とは疎遠の生活を続けていたのかも知れません。


そしてiTune Storeで試聴をしていたある日。柴田淳の「花吹雪」という曲を聴きました。


花吹雪

花吹雪


卒業を前に大事な友達との別れを歌った曲なのですが、歌詞もメロディも本当にすばらしくてすぐにシングルCDとアルバムを買いに出かけました。高校卒業以来、マイラバの「Hello Again...」を超える曲にはまだ出会っていないと書いたのですが、並ぶくらい好きな曲には実は出会っていて、それがこの「花吹雪」です。


それ以来、ずっと柴田淳を聴き続けています。


彼女は活動期間が既に長いことを知り、昔のアルバムも買って聴いて見たのですが、結局は聴き始めた時期くらいの楽曲が一番好きだな。


これ以降は新規開拓はほとんどすることがなく、今まで好きだった人を追いかけ続けることがほとんどです。
あとは映画を見るようになってから、たまにサントラも買うようになったのでそれを聴くことも多いです。
その中でも特に気に入って繰り返し聴いていたのは「虹の女神」と「神童」、「Once」のサントラです。


虹の女神 Rainbow Song

虹の女神 Rainbow Song


「神童」オリジナル・サウンドトラック

「神童」オリジナル・サウンドトラック


MUSIC FROM THE MOTION PIC

MUSIC FROM THE MOTION PIC


最近だと「ハイスクールミュージカル」のサントラを買ったのですが、このCDに関してはわたしよりもハホ*3とアオ*4の方が気に入ってしまったようで車の中ではいつもこのサントラが流れています。


ハイスクール・ミュージカル・グレイテスト・ヒッツ・スペシャル・エディション(DVD付)

ハイスクール・ミュージカル・グレイテスト・ヒッツ・スペシャル・エディション(DVD付)


まとめ

こうやってまとめてみると、本当にいろいろな音楽を聴いているなと自分のことながら驚いてしまいます。
実際ここに挙げたものは本当にはまったものだけなので、一部も一部、氷山の一角に過ぎませんが、でもこうやって好きになったものを列挙してみるとやはりマイナーなものよりはマジョリティ受けするものが好きなんだなあと感じます。
「これはマニアックだな」というものには全然惹かれないし、ためしに聴いてみても興味を持てないことがほとんどなんですよね。
映画も本も音楽も、極端にマニアックなものには走らないのがわたしの嗜好なんですねえ。



なんて、どうでもいいですね。


たぶん、ものすごく好きだったけれど書くのを忘れてしまっているのもあるだろうけど、とりあえず忘れないうちにひとつのエントリーにまとめられたのはとてもよかったです。

*1:高校の時も別にアルバイト禁止ではなかったのですが、住んでいた場所が田舎過ぎて長期のアルバイトをするような場所がなかったのです

*2:

*3:長女

*4:次女