「サブウェイ123 激突」見たよ


ニューヨーク市営地下鉄の指令係、ガーバー(デンゼル・ワシントン)の平凡な一日は、無謀な犯罪により大混乱に陥る。武装ギャングのリーダー・ライダー(ジョン・トラヴォルタ)は、巨額の身代金が1時間以内に支払われなければ乗客を処刑すると脅迫してきたのだ。緊張が高まる中、ガーバーは人質を救出するため、地下鉄に関する全知識を駆使するが、彼にも解けない謎が一つだけあった。犯人たちが身代金を受け取ったとしても、彼らはどうやって逃亡するのか…? デンゼル・ワシントン×ジョン・トラヴォルタ豪華競演作。1974年に公開され大ヒットした『サブウェイ・パニック』のリメイク。

『サブウェイ123 激突』作品情報 | cinemacafe.net

TOHOシネマズ宇都宮にて。


最後の最後まで息をするのも忘れてしまうほど見入ってしまいました。
ピンと張り詰めた緊張感を生み出す演出はすばらしく、さらにそのテンションの保ち方もまたものすごくうま過ぎたために、見終えると心底疲れ果ててしまい立ち上がる元気もないことに気付きました。疲れたけどおもしろかったです。


この緊張感を生み出す元凶はいったい何なのかと考えてみると、ギャングのリーダーであるライダーの容赦のなさなのではないかと思います。あっという間に一両を乗っ取ってしまう狡猾さと行動力には圧倒されたし、さらに一切の躊躇なく乗客に手をかける姿には恐れおののき震えてしまいます。言葉が通じてないんじゃないかと言うくらい話を聴いてもらえなくて、彼には何を言っても交渉にならないのです。
彼の怖さというのは、これを見たら絶対地下鉄乗りたくなくなるくらいのインパクトがあります。
交渉することで活路を開きたい警察や市長たちの要求にはまったく応じず、交渉する余地すら与えないのです。
現状を打開する方法がまったく思いつかないのに、どんどん状況は悪化していく絶望感がもうすごく伝わってきてわたしも観ながら焦りをおぼえるほどでした。


さらに上にも書いたとおり主犯格であるライダーはとにかく頭がすごくよくて、他人を追い詰めるということに関しての非情さというのは徹底しています。乗客一人の命をたてにしてガーバーの過去を暴きだし、みなの前で本人にその過去を認めさせるというシーンがあるのですが、ある意味ここが一番怖かった...。
自分がひた隠しにしていたことを証拠も持たない人間によって、衆目にさらされてしまうというその瞬間の怖さ。
このシーンを見て、なぜ本来ばれずに済むはずの罪を多くの人のいるまえで告白しなければならないのかと体が震えたし、心のそこからぞっとした気分になりました。


ただ、それまではどこか他人事だったはずのガーバーがこの出来事をきっかけに事件にどっぷりと浸かってしまったわけで、安全な場所にいるはずの人間を自分のところにまで引きずりおろすというライダーの辣腕っぷりに脱帽しました。


こんなおそろしい出来事が起こりそうな地下鉄にはぜひ乗らないようにしようと思います。


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