「今夜は眠れない」読んだよ

今夜は眠れない (角川文庫)

今夜は眠れない (角川文庫)

宮部みゆき、角川文庫初登場。サッカー少年の僕と両親、平凡なはずの一家に突如暗雲が。伝説の相場師が、なぜか母さんに5億円の遺産を残したことから、一家はばらばらに。僕は友人と真相究明に乗り出した。

今夜は眠れない 宮部 みゆき:文庫 | KADOKAWA

小川洋子さんに続いて、完読出来ない著者シリーズ第二弾として、宮部みゆきさんの著書を読みました。
宮部さんとの戦いは本当に長いこと続いていまして、出会いはわたしが17歳のときに手にした「レベル7」だったと記憶しています。
当時厚い本を読むのがかっこいいというよく分からない価値観をもっていたわたしは、目に入ってきたページ数の多い本を片っ端から読んでいたのですが、その中の一冊に「レベル7」があったのです。
ものすごい厚さの文庫に見惚れながら読み始めたのですが、いまいちのめり込むことが出来ず、全然読んでないくせに翌週には読み終えた本の中に埋もれてしまっていました。


その後も火車などいくつか著名な作品にも手を出してみたもののやはり最後まで読むことが出来ず、いつも途中で飽きて読むのをやめてしまうのです。それでもあきらめずにあれやこれやと手を出してみたのですがやはりすぐに飽きてしまいます。
極め付けだったのはブレイブストーリー。分厚い文庫本が3巻という比較的長編に分類される本なのですが、それを残り100ページまで読んだくせにこれまた飽きて読む気を失ってしまい、結局読了には至りませんでした。
今思い返してみても、全部で1000ページくらいあるうちの残り10%を読まずに本をおいてしまうなんてのはよほどどうかしていると思うのですが、不思議とまったく興味がなくなるんですよね...。


そんなわたしが久しぶりに宮部さんの著書を読んで気付いたのは、この作品は結末がとても予測しやすいということです。
前半部分は「これからどうなるんだろう...」という強烈に読み手を惹きつける文章だったために、その勢いのまま一気にラストまで読みきってしまったのですが、どうも中盤から後半にかけてある程度結末が見えてしまうのです。
伏線がしっかり張られているということなのかも知れませんが、それに気付いてしまうとそれが指し示すラストへの道筋がふっと見えてくるのです。それは予測なんていうものではなくて、確信と言ってもよいくらいはっきりとしてものでしてどうもそれが読むことをつまらなくしているような気がするのです。
他の作品は読もうとしたのがずいぶん昔なのでもう全然覚えていないので言及できませんが、最後まで読めなかったのももしかしたら同じような理由なのかも知れません。


レベル7はいつかちゃんと読みたいと思っている本なので、今回の読了をきっかけとしてぜひ手を出してみようと思います。


とりあえず宮部さんの著書を通読できたことと、物語がしっかりと完結してくれたことでとてもすっきりしたために、今夜は爽快な気分でぐっすり眠れそうです。