「誰も守れない」を観たよ


 『誰も守れない』は、社会派映画「誰も守ってくれない」(2009年1月24日公開)と企画連動したドラマ。映画が“加害者の保護”をテーマに、ある日突然、容疑者の妹となってしまった加害者家族を保護することになった刑事と保護される妹の目を通し、犯人の家族ということで「社会的制裁」を受ける、現代社会の持つ非情さや人間の持っているもろさ、弱さ、力強さを描いているのに対し、ドラマは、“被害者の保護”をテーマに映画の物語の4ヵ月前に起きた、ある傷害事件に巻き込まれた被害者の娘を保護する勝浦(佐藤浩市)と三島(松田龍平)の姿を描く社会派。2人のハードでフレンドシップな関係も描かれ、今までの数ある刑事のバディものとはひと味違った刑事ドラマになっている。

http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2008/09-premium-01.html

1/24から公開の映画「誰も守ってくれない」のスピンオフ作品。
時系列的には映画のちょっと前という設定でしたので、観る順番としてはこれを観てから映画という順番でよかったのかな。映画版が「加害者家族を守る」ことをテーマにした作品であるのに対して、こちらは「被害者家族を守る」ことがテーマに掲げられていてその対比が注目を集めていましたが、何となく想像してたのとは違うなーという印象を受けました。
もちろん被害者家族もまたマスコミや世間から好奇の目で見られる怖さや不快感というのはとてもよく伝わってきたのですが、それ以上に三島(松田龍平)の受けた悲惨な仕打ちや、元々の障害事件の結末の方が印象が強過ぎてどうも視線がそちらに向いてしまいます。
物語をふくらませようというのは分かりますが、あまりに広げ過ぎると一番大事な部分が見えにくくなってしまうんのはちょっと残念でした。


とは言っても、出演者が豪華な上に見所がとても多く、特に三島が薬漬けにされたあとに勝浦(佐藤浩一)に薬をねだるシーンはかなりインパクトがあってグッときました。三島/勝浦どちらの視点でこのシーンを観ても絶望しか残らないこの状況を何とか抜け出そうともがく二人の姿がとてもよかったです。


これ観たら三島/勝浦コンビの次の仕事ぶりが気になりますし、そうなると映画観ないわけにはいかないだろうなあ...。
観た人を映画に引き込むという意味では完璧なスピンオフだったと思います。わたしも早く映画の方を観たくなりました。