“20世紀最大のゲリラ”や“赤いキリスト”と称され、TシャツからPOPアイコンまで、いまなお語り続けられているチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)。医者として旅をしながら貧者を助けようとしたチェ・ゲバラは、フィデル・カストロとの運命的な出会いによって、自らの人生の矛先を変える。それは、たった12人で独裁政権の国・キューバを革命するという、無謀な闘いの始まりだった――。28歳の若さでキューバ革命に着手し、それを成し遂げるまでを描いた真実の物語。第61回カンヌ国際映画祭正式出品作品。監督は、『オーシャンズ』シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ。
『チェ 28歳の革命』作品情報 | cinemacafe.net
MOVIX宇都宮にて。
キューバ革命でフィデルの右腕として活躍したチェ・ゲバラの20代を描いた作品。
この革命の良し悪しについては、戦いに至るまでのいきさつや歴史的な意義をあまり理解していないため判断出来ませんが、これだけの大事を30歳という若さで為したというその事実にはとても大きな衝撃を受けました。大義をもって一事を為せる人間にはそれだけで強烈な憧れをもってしまいますし、何よりも鑑賞した今の自分の年齢がチェと同じだということについては何か巡りあわせのような、運命などという言葉を柄にもなく使いたくなるようなそんな何かを感じてしまいます。
そういえば共産主義つながりで思い出したのですが、昨年の今ぐらいに「ぜんぶ、フィデルのせい」という共産主義に傾倒してしまった両親の影響で生活が一変してしまった少女アンナを描いた作品があって、あれもものすごく面白かったです。
とても幸せだった生活が、両親が共産主義に傾倒し始めたことをきっかけに崩壊してしまったので、昔の幸せな生活を取り戻そうとするひとりの少女アンナの物語です。
作品の後半でアンナは両親やその同胞たちに反発したり議論を吹っかけたりを繰り返すのですが、徐々にその思想を理解を示し、関わることに抵抗をしめさなくなっていきます。この一連の流れにやりきれなさを覚えたのを強烈に覚えています。
宗教もそうなのですが、本人の意思とは無関係に両親のもつ思想/理念があまりに強過ぎると子供にもそれを押しつけられます。わたし自身の経験もあって、そういう事例にはものすごく嫌悪感をいだいてしまいます。だから、自身の頭の中に描いていたしあわせを取り戻そうとやっきになるアンナの姿には心の底から応援したくなったし、アンナのその後がどのようなものなのかが気になってしまう作品でした。
フィデルについてはこの作品をとおして少し理解できたので、この知識をもって「ぜんぶ、フィデルのせい」をもう一度観てみたいです。
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また、本作では本編上映直前にチェ・ゲバラの生誕から革命戦争に入るまでのいきさつを簡単にまとめた映像を流していてこれは非常にわかりやすくてよかったです。これがなかったら全体像をつかむのにもう少し時間がかかってしまったと思いますし、こういう歴史についての知識を前提とした作品を観るときはちゃんと勉強してからいかないと難しいなと改めて実感しました。
この作品は面白かったし彼の末路も気になるので、39歳の方も絶対に観ます。
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