相変わらず滞納者があとを絶たない奨学金のお話。
大学生らに奨学金を貸与する事業を行う独立行政法人「日本学生支援機構」は22日、奨学金の返済が滞っている卒業生が多い学校の名前を公表する際の基準案をまとめた。
学校全体の「延滞率」が平均の2倍を超えた学校を公表する内容だ。来年2月までに学校側と調整し、早ければ2011年度末から公表を始める。
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20081222-OYT8T00455.htm
平均の2倍超の延滞率の学校名を公表するとのことですが、これはいったいどういう目的なんだろうと調べてみると、「推薦した学校にも責任を持ってほしい」という意思表示だそうです。
これが良い方向に展開していくためには延滞率が高い学校がこのことを恥ずべきことと感じて改善に取り組むかどうかがひとつの鍵になりそうですが、わたしはあまり良い方向にはいかないのではないかと感じています。
理由は2つ。
ひとつは告知の仕方が弱過ぎるということです。学校名をホームページに載せる程度だとよほど意図的に情報を集めに行く人以外はその情報を見ることすらかないません。それだったら毎日朝のニュースで放送するとか、新聞の一面にババンと載せたほうがよっぽど効果的ではないかと思います。お金かかるけど。。。
もうひとつは卒業生が支払いを滞らせていることについて、その責任が学校にあるとはどうしても思えないからです。紹介者として、学校に責任の一端を担わせようという気持ちだけは理解出来ますが、「奨学金を借りた学生が全員滞りなく返済する」という最終目的を達成するためにそのことが役立つのかどうかと問われれば間違いなくNoと言えます。
それよりだったら、延滞率の高い学校の生徒には奨学金を貸しませんよとした方が学校経営に響くわけですからよほど効果があるのではないでしょうか。奨学金の本来の目的もあるのでそのようなことは容易には出来ないのでしょうが、本気で改善したいのであればそのくらい強気に出ないといけないと思います。
あとは前にも書いたように奨学金は貸与ではなく贈与にしてしまうというのもありかも知れません。財団や国がバックについてやれば出来なくないはずです。取立ての面倒さも考慮すればその方がよほどすっきりするんじゃないでしょうか。