トロピック・サンダー 史上最低の作戦


新作映画を作ろうと撮影に入るも、派手すぎる演出により予算オーバーしてしまった、スピードマン、ジェフ(ジャック・ブラック)、ラザラス(ロバート・ダウニーJr.)の自己中心的な役者たち3人。撮影中止の危機に陥るが、懲りない彼らはさらなるリアリズムを求めて、東南アジアのジャングルで撮影を続行する。だが、そこは本物の戦場だった…。ベン・スティラーが監督・製作・脚本・主演を務めた爆笑サバイバル・コメディ。ジャック・ブラックロバート・ダウニー・Jr.を迎え、夢の競演を果たしている。

『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。
観ていて笑いとため息しか出ないほどバカバカしさや不謹慎さに笑いが出てしまう作品でした。さらに作品のどこを観ても製作にお金がものすごくかかっているのが想像できたのでいくらかかったのだろうと帰ってきてから思って調べてみるとなんと制作費が90億円!!
オープニング直後に流される各登場人物の過去の登場作品を紹介する映像なんてそれぞれが実在の作品のようにしっかり作りこまれていて非常におかしかったし、他の作品では観られないほど圧巻の爆破シーンもあるのですが、それを誤動作という笑いのために使ってしまう贅沢さ。もういちいち本格的でどのシーンにもお金をかけて作ってあるのにこのくだらなさ、というのがとても面白くてよかったです。そういえば先日観てものすごく好きだった「ゲット・スマート」(感想はこちら)もたしか制作費は80億円と破格だったなあ。こんなくだらなくて笑えるだけの作品に何十億という大金をつぎ込めるのはそれに対して需要のあるアメリカだからこそ出来るんですよね。下品な笑いと不謹慎さの集合体であるこの作品を観ながら、何だか悪い事をしてしまっているような背徳感を感じながら楽しんでしまいました。


ラザラスを演じたロバート・ダウニーJrは、先日公開されていた「アイアンマン」ではものすごくかっこよくてわたしは彼に憧れてしまい、彼の次の登場作品を心待ちにしていたのですがこの作品ではあまり笑いの中心には身を置いていないような気がしました。何となく他の出演者よりもはじけていなくてこの作品の中では面白さが伝わってこなかったのですが、見終わってから下記の感想を読んでなるほどと納得しました。

最後までたのしく見れてよかったのですが、やはり海外のコメディを日本に持ち込むさいに問題になる、「元ネタを理解していないと伝わらない問題」がいくつかあり、字幕を担当された方はほんとうに苦労したとおもう。字幕も、限られた文字数でずいぶん健闘していましたが、とくにロバート・ダウニー・Jr. の役は、向こうだといちばん大ウケなはずのだが、日本ではすこしわかりにくかった。白人なのに、こてこてのエボニック(黒人英語)で話すというのは、日本の観客にはあまりニュアンスが伝わらなく、そこから派生するギャグも理解しにくい。このへんはちょっと文化の壁だったかも知れないです。

2008-11-26 - 空中キャンプ


単なる言葉だけではなくそこで感じるべきニュアンスまで字幕で伝えることは難しいですし、そう考えるとアメリカのコメディでよく見かける観客の笑い声って言うのは笑いどころを知るという意味ではとても勉強になりそうです。一度観てみようかな。


そうそう。そういえば密かに出ると話題になっていたトム・クルーズについてはエンドロールを観るまですっかり忘れていました。エンドロールで彼がダンスしてるシーンで観て思い出し、そして壮大に噴出してしまいました。全然面影ないなあと思っていたけれど、よく観てみれば目や口元がまさに彼そのもので、メイクのあまりの出来のよさに驚いてしまいました。ただ、せっかく彼を出すんだったら一見したら彼と分からないほどうまくメイクし過ぎるのも考えものだよなーとも思ったのですが、わたしはさほど彼のファンというわけでもないのでこのサプライズは単純に面白くてよかったです。


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