愛が理由

愛が理由 (幻冬舎文庫)

愛が理由 (幻冬舎文庫)

携帯を握りしめて笑顔で死んでいった親友の美佐子。死の真相を追う麻子の前に現れたのは、少女と見間違えるほどの美貌の少年だった…。書き下ろし恋愛サスペンス。

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矢口敦子さんの新作がやっと文庫になったので手にとって見ました。
自殺と判断されたもののとても不可解な友人の死。その死には心中ゲームという呼ばれる高校生の間で流行っているゲームが関わっていると知り、その真相を暴こうとするというストーリーは非常におもしろそうだと思ったのですが甘かった...。40歳前後の中年女性が高校生の口車に乗せられてどんどん心を許していくシーケンスには強烈な違和感を覚えてしまい、さらにはそこから先の展開も読めてしまい、全然楽しく読めませんでした。
あー、何なんだろうなー、これ。
いい年したおばちゃんが高校生に甘えられてその気になってるのが何だかすごく不愉快だったのはそのとおりで、いい年こいて簡単にだまされてんなよなーバカー、と怒りで湯気が出そうなくらいカリカリしてしまいました。どうひいき目にみても怪しい高校生に心奪われてしまい挙句の果てにかばいだしてしまうあたりはもう脱力感でいっぱいでした。ここまであからさまに描かれると女性性に対する違和感を意図的に生むためにこういう書き方をしたんじゃないかとうがった見かたをしてしまいます。


そんなわけで今まで読んだ彼女の作品の中では一番合わない作品でした。残念。