リトル・ミス・サンシャイン

主人公はアメリカのとある一家「フーヴァー家」。末の娘(アビゲイル・ブレスリン)を美少女コンテストに出場させるため一家で旅に出るのだが一家が赴く先々で大騒動が巻き起こる。父リチャード(グレッグ・キニア)、母シェリル(トニ・コレット)をはじめ強烈な風刺と深い人間性を同時に備えたフーヴァー一家を魅力的に描いたロードムービー

『リトル・ミス・サンシャイン』作品情報 | cinemacafe.net

先日観たばかりの「イントゥ・ザ・ワイルド」に影響を受けたわけではありませんが、何となく手にしたこの作品もロードムービーでした。2006年,2007年のベスト作品に選ぶ人も多いほど評価が高い作品というのは知っていましたが、もうものすごくよかったです。家族のそれぞれが抱える問題や状況のあまりのせつなさ/切実さに涙が出そうになりながらも、でも全員が手を取り合ってそれを乗り越えていこうという前向きさと行動のゆかいさに笑いがこみあげてきて止めることが出来ませんでした。こういう作品こそ、ぜひ映画館で観たかったです。


この作品は全てのシーンが見所といっていいほど、とにかく目の離せないシーンが多いのですが、その中でもラストのコンテストの特技実演のシーンのよさは突出していました。シーン自体はあまりに奔放過ぎてもう腹を抱えて笑ってしまうほどなのですが、笑いながらもそのコンテストに出るために家族全員それぞれが乗り越えてきた大小さまざまなハプニングを思い出してしまい、もう涙が出てくるのもこらえられませんでした。この感情への働きかけ方はいったい何事かと焦ってしまい、わたしは笑いながら泣き、けれど頭の中ではもう例えようのないくらい動揺しながらエンドロールを眺めていました。自分の感情すらまともにコントロールできなくなるくらいに心が揺さぶられるのはなぜだろうかとそればかり考えていましたが、もうさっぱり分からない。ただ、それほど大きな衝撃を作品から受けたことは事実ですし、それは認めざるを得ません。


それにしてもホント不思議なんです。
だって冒頭でこの家族を見たときは不仲で理解しあうことが出来ていない人の集まりとしか見えなくて、彼らにいい印象なんてなかったのに、すべてを見終えたときにはこのざまですからもう不思議としかいいようがありません。すげーですよ、この作品。


家族全員でバスを押すという行為が何かの隠喩ではないかと考えてはいるのですが、今のところまだ考えがまとまっていません。
もう少しまとまったらまた書こうっと。