そんなもんなのかな?

わたしはまだ転職未経験なのですが、ここ数年話題になっている入社3年以内の離職率が高いという現象はすごくおもしろいと感じていて、いつも話題にしている本や記事を見つけては読み漁っています。中/高/大卒それぞれの卒業直後3年以内の離職率を並べた造語である七五三現象には特に興味があって、なんでそんなうまい具合に傾向が生まれるのだろうといつも思っていました。
とは言え、就職した直後ってひそかに抱いていた淡い理想が現実にねじ伏せられることが多くて、そういうことを経験したことで辞めたいと思う気持ちはまあ分からなくはないと感じます。


で、離職率を低くしようということでおもしろい工夫をしているという記事を見つけました。

そこで参考にしたいのが、引きとめ対策の一手としてアステラス製薬が行っている「感謝メール」。
これは、業務でお世話になった社員宛てに社内ネットワークを通して感謝の念を綴ったメールを送るというもの。しかもメールを受け取った社員にはポイントが付与され、貯まったポイントは景品と交換できるのだとか。

goo注目ワード ピックアップ・・・感謝メール(goo注目ワード) - goo ニュース

ポイントを景品と交換するというのは何だかなーと思いますが、ただこういう積極的にコミュニケーションをとる口実を作ろうというのはいいアイディアだと思います。
ですが、そう思う一方で、こんなことがなくたって感謝の気持ちを伝えるのって当然じゃね?と思う部分も少なからずあります。別に感謝をして欲しくてやったことじゃなくても、それなりの時間を割いて対応したことに対していかにもやってもらって当然みたいな態度で片付けられると悲しくなることがあります。たった一言お礼をいうだけで、その次やそのまた次もスムーズに仕事が出来るようになるのにそれが出来ない。やらない。仕事なんだからお礼なんて言わなくてもいいし、そんなの当然だろうという人が多すぎるとわたしは感じています。


わたしは離職率が高いこと自体は問題ではないと思っています。3年もしないで辞めるなんて我慢が足りないとか全然的外れな意見だと感じています。合わない職場にい続ける理由なんてないし、そうやって選択肢が増えることは働く人にとって大きなメリットになりますし、人材に流動性が生まれることで 雇用する側にとっても必要な技能をもつ人材を見つけやすくなるというメリットが生まれるわけです*1


ただ、こうやって仕事が完全に分業化されてきたことで自分の仕事だけをやっていればいいという人が増えているように感じていて、それについては何だかなーという気がしています。担当していない仕事は絶対にやらないというのは、分業という意味では正しいかもしれませんがそんな堅苦しい仕事の仕方って息苦しくてかないません。
「今回は俺がやるから次はやってね」とか「この間やってもらったから今回は俺やるわ」とかそういう程度でいいじゃんって思うのですが、絶対にそうはならないんですよね。「一回引き受けてしまったら自分の仕事になるからやりません」ってアホかと。
違う会社同士ならまだ分からなくもないのですが、社内でそんな押し付け合い合戦をしているのを見るともう荷物をまとめて帰りたくなります。というかほんとに帰ります。
相手に何かをしてもらうということに対しての感謝の気持ちが無さ過ぎます。逆にそういう気持ちさえあれば、ありがとうという言葉だって自然に出てくるし、助け合っていい仕事が出来る空気が自然と生まれると思います。


いつもどおりいったい何を書きたかったのか忘れてしまうほど話がそれてしまいましたが、離職率を下げるためでも何でもいいので、一緒に仕事をしている人に対して感謝の気持ちが伝えやすい環境/時代になって欲しいなと感じました。みんなもあいさつとかお礼をもっと大事にして欲しいですし、それに比べたら離職率の高低なんてどうでもいいことですよ。

*1:転職しやすいから辞めるのか、辞めやすいから転職業界が潤うのかは微妙なところです