目の不自由なあんまの徳市（草なぎ剛）と福市（加瀬亮）は、人の数やどこから来たのか当てることができる勘の持ち主だった。そんな2人の温泉道での楽しみといえば、人を追い抜くことであった。ある日、東京から来た美千穂（マイコ）を治療した徳市は、彼女に淡い恋心を抱く。そして、翌日も美千穂に治療を頼まれた徳市は、道中で彼女とすれ違うが、徳市の勘を試そうと彼女は川原へと隠れてしまう。そして、美千穂は川原で、馬車に乗った研一と出会い、2人で部屋へと向かう…。その頃、鯨屋では、大学生たちの財布が紛失し、大騒ぎになっていた。そして、財布が紛失したとき、宿にいたのは美千穂だけだったという――。日本映画史に残る名匠・清水宏監督の『按摩と女』を、現代の最高の技術をもって映画化。
『山のあなた 徳市の恋』作品情報 | cinemacafe.net
TOHOシネマズ宇都宮にて。
予告を見ていた限りではあまりこの作品に興味は持てなかったのですが、1000円で観られるというそのサービス精神に心を打たれて観に行ってきました。予想以上に最初から最後まで安心して見ていられる作品でして、ランボーの破壊力いっぱいの映像に心をズタズタにされた私にとってはとても心癒される作品でした。
私は最近の映画ばかり観ているので昔の映画はあまり知らないのですが、雰囲気としては古きよき時代の日本映画の匂いを残しているんだろうなという印象を受けました。演技や演出は全体的に昭和っぽい雰囲気がプンプンしていましたし、映像もなんとなく前時代的な感じでした。この作品についてはそれらの要素が非常によい方向にはたらいていて、作品の魅力作りにとても一役かっているように感じました。
それともう一点非常に面白いなと感じたのは、私が見た回の観客はほとんど50代以上の人ばかりだったのですが、周囲の人が予想外のポイントでいっせいに笑いだしたりしてびっくりしました。周囲の反応と自分の反応があまりに違い過ぎたせいで、映画を観るようになって初めてといっていいほどの疎外感を味わいました。このアウェイ感はなかなか面白かったです。
この作品が非常に面白かったので今度昔の邦画も観てみようかなという気になりました。まずは黒澤作品に手を出してみようかな。
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