続 暫定税率に関して思うこと

昨日書いたこの記事にコメントをもらったのでコメントをつけようと思いましたが、ちゃんと記事を起こすことにしました。


> g-nama 2008/04/30 01:11
> 別に課税自体に文句は無いなあ。いとっとの言うように必要だから課税される訳だから。
>
> けど、支出が不透明すぎるから嫌な訳ですよ。
>
> なぜ税収が減るからといってもっと取ろうとするのか?
>
> 出て行く分を減らす努力をなぜしないのか?
>
> 年度末が近づくと道路工事が増えます。予算を使いきらないと次年度の予算減らされるからって理由で。
>
>
> 国民としては税金の効果的な使用を望みますですよ。


使途が不明/許せないっていうのは気持ちとしては理解出来るし、まったくもってそのとおりだと思います。


ただ、今の日本国の経済状況からすれば、支出の削減と収入の増加は同時に実施しないと間に合わないし、使途が不明だからその使途が明らかに出来るまでは減税しましょうなんて言ったら、その分を国債等で埋め合わせないといけなくなります。だから、今回のような突発的な減税はすべきではないと思っています。


参考(日本の借金時計)


だからと言って無駄遣いを容認するというわけじゃないです。無駄遣いしないようにする努力は忘れないで欲しいし、無駄をなくせという言葉を国民の声として上げる事は大事なことだと思います。
ただ、そもそも無駄かどうかという判断ってすごく難しいです。横領とか闇専従みたいなあからさまなのは除くとして、無駄かどうかの判断はその人の立場次第で大きく変わります。


例えば。企業活動としてのサービスではなく、公的な住民/国民サービスをする場合には、単純な利益ベースでやる/やらないを判断する事は難しいです。どれほど採算の取れない*1サービスであっても、一度初めてしまうとなかなか止められないという現実があります。
止められない理由は大きく2つ。

    1. サービスを受けている人からの抵抗
    2. 間接的に利益を得ている人たちからの抵抗


では、そのサービスを継続するかどうかを判断するに当たって、無駄なサービスなのかどうかというのを客観的に判断することは出来るのでしょうか。私は非常に難しいと思います。採算ベースでなんて判断出来ないし、国民の声を集めるにしてもその集める方法で良い方法が思いつきません。ネットでアンケート取るとか電話でアンケートするなんてのは、その母集団が偏っていないという証拠が無ければ誰も納得出来ません。結局無駄かどうかなんて問いには答えなんて出せないのです。


で。だんだん書きたかったことがまとまらなくなってきたけども、書きたかったのは個人の感覚で見る限りはこういう無駄に見える部分っていうのはなくならないと思うのです。誰かが無駄だと思うことであっても、そう思った人以外でそれを必要としている人が必ずいます。
だから無駄を無くそうというのは個人の生活ベースで考えた場合には正しいけれど、大きな組織/共同体(特に価値観を共有出来ない集合)に対しては間違っていると言うほどじゃないけれど正しくもないのかなと思うのです*2
枝葉の部分はともかく、大事な部分は国民感情に左右されちゃいけないという考えが自分のベースにあるのです。


とは言え、今後地方自治体で公会計制度が導入されたり道州制や国から地方への財源委譲が行われるとどうなるのかさっぱり分かりません。もっと勉強して今後の動向には注目したいと思っています。

*1:そもそも利益が出てはいけないのですが、ここで言いたいのは予定以上に費用がかかってしまうケースです

*2:無駄を無くすというのは部分最適化であって全体最適化ではないといえばいいのかな