殯の森


奈良県東部の山間地に佇むグループホーム。ここでは軽度の認知症を患った人たちがスタッフとともに共同生活をしている。33年前に妻・真子(ますだかなこ)が亡くなってからずっと、彼女との日々を心の奥にしまい込み、仕事に人生を捧げ生きてきたしげき(うだしげき)。今は思い出とともにこの里で静かな日々を送っていた。新しくここへやって来た真千子(尾野真千子)もまた心を閉ざして生きていた。子供を失ったことをきっかけに、夫(斉藤陽一郎)との別れを余儀なくされたのだ。ここでの生活の中で、次第に真千子は生き方を取り戻してゆき、しげきとも心打ち解け合ってゆくのだが…。

http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/19451/

宇都宮テアトルにて。
生きる事と死ぬ事。大事な人を失った者同士が分かり合える何かがテーマだというのは強く感じたのですが、正直にいうと、よく分かりませんでした。もう一度見ないとうまくまとまらないなと思うのですが、次見られるのはいつになる事やら...。


この作品の見所は山の中を彷徨うシーンの美しさや、前半の真千子が徐々にグループホームに馴染んでいくシーケンスだと思います。この部分はすごくよかったです。特にグループホーム全体に漂う年寄りの集まり独特の匂いはとても強烈で、実家に居る婆ちゃんとその友達の集まりを連想させられました。年寄りだけで集まると老人密度*1がすごく濃くなるのですが、まさしくその状態を感じられる映像でした。


もう一度見たいなあ。

公式サイトはこちら

*1:変な言葉なのですが、量子力学で出てくる波動関数を用いて表される確率密度みたいなものをイメージしていまして、年寄り個々人ではなく、トシヨリという老人が複数集まることで形成されるつかみ所のない存在を表す一定の密度を持った何かという意味なのですが、うまくまとまらないのでそんなものか程度で許してください