街のあかり


フィンランドヘルシンキに住む、家族も友人も愛する人もいない、ひとりぼっちの男・コイスティネン。そんな孤独な男を、あるマフィアの男が自分の情婦・ミリヤを使って誘惑させ、ショッピングセンターの宝石を強奪して彼に罪を擦りつける。美しくも毒のあるミリヤと出会って初めて恋を知るコイスティネンだったが、猛毒のような災難が彼に降りかかる――。『浮き雲』、『過去のない男』に続いて、人間の誠実さや人間性の回復を描いた、アキ・カウリスマキ監督“敗者三部作”の完結篇。

『街のあかり』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮テアトルにて。
敗者三部作とあるとおり、とにかく負け続ける一人の男の物語。これでもかと言わんばかりに彼に襲い掛かる敗北の数々に目を覆いたくなりましたが、それでも最後まで全く目が離せませんでした。彼は一体どこまで負け続けるのか、彼はどこまでそれを受け止められるのか、非常に見応えのあるとてもユニークな作品でした。


それにしても、一人の人間をここまで徹底的に負けさせてその様を映画にしようという監督の発想と心意気には心底感心させられました。私がもし監督だったらあまりに負けさせるのも可哀想だから、最後くらいはいい展開にしてあげようなんて考えてしまい、ありがちな作品になってしまったに違いありません。
見終わった今では、最初から最後まで手心加えずに負け続けたからこそ、コイスティネンがどれほど真っ直ぐなのかが見えてくるのだと理解出来ます。ラストシーンのコイスティネンはかっこよかったです。


三部作とは言え、シリーズものではないのでぜひ以前の二作の敗者っぷりも見てみたいと感じさせられました。


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