ミルコのひかり


1971年、イタリア・トスカーナ。映画をこよなく愛する少年・ミルコ(ルカ・カプリオッティ)は不慮の事故で両目の視力を失ってしまい、両親と離れて全寮制の盲学校に転校させられる。盲目であることを受け入れられず、心を閉ざしてしまうミルコだったが、ある日偶然見つけた古いテープレコーダーとの出会いが彼に大きな転機をもたらす。やがて担任のジュリオ神父(パオロ・サッサネッリ)、おてんばな少女・フランチェスカに助けられながら、ミルコはクラスメイトたちに夢と希望を与えるようになる…。イタリア映画界の一線で活躍する実在の盲目の音響編集者、ミルコ・メンカッチの少年時代を描いた作品。

『ミルコのひかり』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。
とある事故がきっかけで視力を失った少年が、彼の持つ可能性を信じる神父と友達と共に、視覚障害者にとって新たな道を切り拓いていくお話。この作品はフィクションではなく、イタリアであった実話を元にしているそうです。最初は彼の行動に興味を持っていなかった人たちが彼の持つ魅力に惹かれ、そして巻き込まれていき、最後には一つの作品を創り上げる一連のシーンは見ていて非常に気持ちがよかったです。仲の良い気が合うもの同士が集まって一つの作品を創るプロセスは本当に楽しそうで羨ましいです。


突然話は変わりますが、今↓この本を読んでいます。


非属の才能 (光文社新書)

非属の才能 (光文社新書)


感想は改めて書くとして、簡単に内容を書くと空気を読まないで自らの個性を大事にする事が大成するためにはとても大事だというものです。非属という命名センスや極論っぽさが強いところは好きになれませんが、内容は比較的面白いです。
幼少期には誰もが持っているであろう個性を削り取り、キレイな出っ張りのない状態にする事で世の中に適応しやすくするのが躾です。そうする事で周囲との軋轢を生まない人間にする事は出来ますが、その反面本来持っていた個性までも消えてしまう事を本書は憂えています。


本作の主人公であるミルコも、視覚障害者として生きていくための教育と称して音への興味を消されてしまいそうになるのですが、頑なに自らの好きを貫くのです。その自分の好きを信じて続ける姿にクラスメイトやジュリオ、フランチェスカがひきつけられていく展開がすごくナチュラルでよかったです。
特にフランチェスカとミルコが二人で録音しているシーンはぐっと来ました。


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