クリスマスの思い出

メリークリスマス!!


と、のっけから元気そうに振舞ってみましたが、正直に言うとそれほど元気でもありません。
今日は暇だったのでさっき映画を見に行ってきたんですよ。ローズ・イン・タイドランドという映画でして、去年公開された映画らしいのですが、ちょっぴりダークなお話かと思いきや、予想外なことに非常に狂気めいた作品でしてがっくり気持ちが落ち込んでしまいました。
さて。映画を見てしまい少々落ち込んでいましたが、帰り道、クリスマスで浮かれきっている人たちの間を縫うように歩いていると余計にその気持ちが強くなってきたのです。そしてその気持ちは私が学生の頃に経験したクリスマスのある日の事を思い出すきっかけとなりました。


今から10年前。そう。それは私が大学に入って初めてのクリスマス直前の12/20。
当時彼女が居ないどころか、大学の友達も全員帰省してしまったために私を構ってくれる人が誰もおらず、渋々実家に帰省して過ごす事にしました。とは言え、実家に帰ったところで24日ではまだ友達も帰省しておらず、また、地元の友達は仕事だったり浪人中だったりでなかなか会えず結局暇である事には変わりませんでした。雪が降れば雪かきをしてかまくらを作ってみたり、荒ぶる日本海を眺めながらアメリカンドッグを食べたりとまあ普通に過ごしていたのです。特別楽しかったわけではありませんが、高校時代を思い出しながら毎日毎日秋田での生活を堪能していたのです。


そして訪れた24日。
クリスマスであることは忘れた事にして、たまには服でも買いに行こうと思い立ち、電車で秋田市内へと出かけたのです*1


駅前のフォーラスで厚手のセーターを買い、ヨーカドーで本を買い込んでさて帰ろうかと歩いていると、横で献血の客引きをしているのが目に入りました。献血車とその横で呼び込みをしている女の子達。特に興味もなかったので気にも留めず横を素通りしようとすると「お時間ありますか?」と一人の子に声をかけられたのです。普段であればドキドキしてしまいそうなセリフですが、明らかに俺の血狙いなので「ないです」と華麗にスルー。「俺の血はやらん!!」と豪気に言い放てればよいのですが、当時は女性とは恥ずかしくてあまり話せなかったtoo shy shy boyの私にそこまで求めるのは酷です。


そのまま駅に向かって歩き続けようとすると、その子が突然「あれ?itottoだよね?」と馴れ馴れしい口調に変身。改めてその子を見てみると高校の時のクラスメートでした。とは言っても全然仲が良かったわけではなくて、3年間同じクラスだっただけです。
看護学校に進学した彼女は学校のイベントだかアルバイトだかで献血の客引きをやっているようでした。
話をしているうちに、「こんな日に一人でブラブラしてるってことはどうせ暇なんでしょ」みたいな事を言われて再度献血に誘われる俺。見ず知らずの人なら無視も出来るのですが、知り合いとなると無碍に断る事も出来ず、結局車の中に連れ込まれて血を調査*2、そして成分献血をして帰ってきました。まさか献血する事になるとは。。。


結局、24日に一人で買い物をしてブラブラしているところを昔の知り合いに見られた上に、血まで抜かれるという体たらく。そしてその見返りはケーキ一個と野菜ジュース。腕と心に小さな傷をつけて帰途についたのです。


あの日の帰り道もこんな寂しい気分でした。クリスマスに一人で居るのが恥ずかしいと思っていたのか、それとも昔の知り合いに会って感傷的な気分になったのか分かりませんが、どんよりとした気分で男鹿線で帰ったその気分だけは鮮明、強烈に覚えていて、今日の気持ちとかなり強くリンクしました。


特に山も落ちも無い単なる思い出話です。ここまで何かを期待して読んだ人には申し訳ないです。ごめんなさい。


そうそう。
2年前にクリスマスの思い出を書いたのですが、改めて自分の学生時代を振り返ってみると、毎年クリスマスには普段とは違う思い出が必ずあります。世間一般で言うところのクリスマスの思い出とはかなり違いますが、どれもこれも学生時代を彩るほろ苦い思い出ばかりです。

*1:うちの実家は男鹿市というところにありますが、田舎なので本とか服とかは秋田市内に行かないと困る事が多いです

*2:献血した事がある人はご存知だと思いますが、献血をする前に成分検査をするのです