いのちの食べかた


日本人が1年間に食べるお肉(牛・豚・鳥)は約300万トン。だれもが毎日のように食べている膨大な量のお肉。でも、そもそもお肉になる家畜は、どこで生まれ、どのように育てられ、どうやってお店に並ぶのだろう?本作が描くのは、そんな私たちの命を支えながらも、あまり知られてこなかった食料生産の現場の数々。世界中の人の食を担うため、あらゆる食物を大規模な機械化によって生産・管理せざるをえない現代社会の実情。ピッチングマシンのような機械で運ばれるヒヨコの群れ、巨大なマジックハンドで揺すぶり落とされる木の実、自動車工場のように無駄なく加工される牛・・・etc。まさに唖然とするような光景に驚愕しつつも、改めて私たちが生きていることの意味を問い直すドキュメンタリーです。

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=8515

宇都宮テアトルにて。
ナレーションは無い上に、登場する人による映像に対する説明も一切無しのこの作品。
流される映像は大規模な農園で野菜が育成され収穫される様子や、家畜が人工的に作られて育てられ そしてと殺されて加工されていく一連の流れだけ。聞こえてくる音声はその場所その場所で自然に発せられる音だけ。
この作品はタイトル(原題はOUR DAILY BREADだそうです)のとおり、私達が日々口にしている食べものがどのように作られているのかという事実を伝えてくれる作品でした。恣意的なコメントやメッセージは一切入っていないので、純粋に映像から受けた心の素直な反応がズシンと残る。そんな剛速球な印象を受けました。


予想どおり、と殺シーンは凄惨でドバーと血が出るし、牛とか豚の足を機械でチョキチョキしたりしちゃってて見ていてとても痛々しいのだけれども、残酷で見てられないとかかわいそうだとか、そういう気持ちよりも感謝したいという気持ちがどんどん沸いてきました。
日々彼らのいのちを食べて命を繋いでいる私が彼らに言ってもよい言葉があるとしたら、それは「いただきます」だけだろうと思います。私が今までどおり生きていく以上、その言葉で彼らに感謝する事が唯一出来ることだと感じました。


ありがとう。いただきます。


公式サイトはこちら