チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術

チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術

チームハックス 仕事のパフォーマンスを3倍に上げる技術


チームを組んで働く際の効率化向上に役立ちそうな一冊です。随所にコラムと称して筆者の経験に基づく話が混じっていたり、ひとつひとつのセクションが短く読み切りとなっているので時間があまりない人でも読みやすい工夫がされています。
また本書は「うまく機能すれば、一人では達成できないことを成し遂げてしまう」チームの魅力を認めつつもそれがうまく機能しにくい現状を観察し、チームならではのデメリットを発見してそれを解決するためのハックを提案するといった内容となっています。
リーダーシップではなくメンバーシップ。タスクの共有など自分次第ですぐにでも始められそうなものが多いのもとても魅力です。


さて。
業務形態にもよるのでしょうが、会社勤めをして仕事をするという事は社内・外の人たちと一緒にグループなりプロジェクトなりを組んで一緒に仕事を進めていくことが多いのではないかと思います。
私の経験ですが、チームを組んだとしてもその参加した人たちの能力に見合った成果が出ることは少ない場合が多いと感じます。分かりやすく数式で書くとするとこんな感じです。

Result\quad \leq \quad \sum_{j=1}^m \quad Member_j


ただし

 Result  :チームの成果
 {Member_j} :メンバーの能力(j番目)

 メンバーはm人いるものとします


一言でまとめると「チームのアウトプットは、各メンバーの処理能力の和よりも少なくなる」となります。もちろん定量的に計算する事は難しいので根拠ある形でこれを証明する事は難しいのですが、私の感覚ではこんな感じです。


ではなぜこのようなことになるのかと考えた時に、本書では

    1. リーダーがボトルネック
    2. メンバー間の情報交換がうまく働いていない


この2点が挙げられています。
前者の「リーダーがボトルネック」というのは、チームを管理するのがリーダー一人の場合だと管理作業に漏れやタイムラグが出来てしまうために、全体としてその部分がボトルネックになって作業遅延が起きるというものです。
後者の「メンバー間の情報交換がうまく働いていない」は↑と一部被るのですが、作業に関する情報が完全には共有されていないために作業に偏りや漏れ、重複が発生してしまうために起きる作業遅延(無駄)です。

これを解決するための施策として

    1. リーダーが一人で管理するのではなく、メンバー全員で管理する(メンバーシップ)
    2. タスクや予定を全員が共有することで漏れを無くす


といった対応を提案しています。


# ただしリーダーがいないと責任の所在が難しくなる場合もあるので、
# 全体を統括するという意味でのリーダーは絶対に必要だと感じます。


それ以外については、


ひとつ。
実践したことがある経験をふまえて、一つだけ絶対に忘れてはいけない事があります。それはチームに参加するメンバー自身が自律出来ている必要があるという点です。多くの管理がなくても自らを律しながら作業が出来るからこそ、チームとして成り立つのだということは痛感しました。参加するメンバーによっては今までどおりのリーダーが引っ張る形のチームがよいと思います。


[追記]
なんて偉そうに書いてたら、255ページからの「リーダーの役割と状況対応理論」のところに似たような話が出てました。。。
[/追記]


こんなふうにいかにも自分は大丈夫みたいに書いてますが、私は基本的にはいつも一人でお仕事です。協調性がない事がばれてるのか、それとも「俺、あいつと仕事したくありません」と嫌われているのか、もしかしたら「あのお方(俺のこと)は凄過ぎて一緒に仕事なんてとんでもないっす」なんて過剰に尊敬された上で遠慮されているのか正直さっぱり分かりません。


一人の方が気楽だし、一緒に仕事がしたくなるような人が居たら声かけたり出来るからいいと言えばいいんですけどね。でも、この本を読んでいると、たまには10人くらいのプロジェクトで組んで仕事がしたいなーなんて思います。

Result\quad \geq \quad \sum_{j=1}^m \quad Member_j


なんていう成果の出せる仕事をしてみたいものです。