夜の上海


音楽祭の仕事のために上海に来たトップヘアメイクアーティストの水島(本木雅弘)。音楽祭終了後、上海の街をひとりで歩いているうちに迷子になってしまう。ふらふらと街をさまよってる水島の背後から大きな衝撃が! リンシー(ヴィッキー・チャオ)が運転するタクシーに飛ばされ、水島は空高く宙に舞う…。こうして、運命的に出会った2人の、言葉の通じない、噛み合わない上海の夜が始まった。偶然出逢っただけのはずなのに、言葉が通じないながらも、いつしか互いに少しずつ通じ合い、心を開いていく…。美しい上海の夜を舞台にしたワンナイト・ラブストーリー。

『夜の上海』作品情報 | cinemacafe.net

MOVIX宇都宮にて。


ヘアメイクアーティストが仕事で訪れた上海でタクシー運転手と出会い仲を深めていくというお話ですが、実はこの二人の間に芽生える感情が恋愛というほどには盛り上がらないという、やや意外な展開でした。旅恋なんて煽ってたのでもっとこうエヘヘな展開が何かあるのかと邪推してしまいました。


さて。
この作品に期待していたベクトルとはやや趣きが違っていましたが、作品自体は非常によかったです。


言葉の通じない二人が一生懸命コミュニケーションを取ろうとする姿は何だか微笑ましいし、頑張っても意思疎通がうまくいかないもどかしい展開のせいで次が気になって目が離せません。

さらに。
男なので水島視点で見ていると、見知らぬ土地でタクシーにひかれたりあちこち連れまわされたり挙句の果てには置いていかれそうになったりするという非日常感満載のハプニングが盛りだくさんで、見ているだけで気分が高揚します。映像からは、そういう「初めての場所でさまよってるんだ」という感じがうまく伝わってきました。異国の匂いって言えば伝わりやすいかも知れませんがそんな感じです。


あとは上海って本当にきれいな都市なんだなというシーンが多くて、見ているだけで行ってみたくなりました。見終わった今冷静に考えてみると、あんなにいい景色ばかりだと北京オリッピック前に中国のイメージを上げるための作品じゃないかという気がしてきました。


そんなわけで極端にベタベタしたラブストーリーではありませんので、この手の話が苦手な人でも全然いけます。むしろそういう展開を期待していくとちょっと物足りないかも知れません。


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