空港建設計画で村の存続が危ぶまれている「馬酔村」。転校生・亮介(神木隆之介)は、ふとしたことから地元の悪がき・公平(ささの友間)、そして不思議な少女・ヒハル(大後寿々花)との友情を築いていく。ヒハルの夢を信じることが3人の友情の証だった。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=7363
しかし大人たちの愚かな争いは日に日に激しくなっていく。これ以上、大人には任せていられない!村を、そしてヒハルを守るため、亮介と公平は100人の仲間を空港建設予定地の麦畑に集めた。「待っていても起きない奇跡なら、俺たちが起こそう!」2人はまだ知らない。彼らが起こした“史上最大のいたずら” が、大きな奇跡を起こすことになろうとは・・・。
MOVIX宇都宮にて。
150分弱の長丁場でしたが、時間を全く感じさせないくらいのめりこんでしまいました。部分的にファンタジーっぽさが漂っていたのですが、そこらへんを許せるかどうかによって評価が一変しそうです。私はそこも含めてすごく素敵な作品だと思いました。
まず何がいいって、神木君が「いかにも東京から来た都会っ子です」、っていう雰囲気をプンプンさせててすごくよかった。これがちゃんと出来ていなかったら、きっとこの作品をこれほど好きにはなっていないんじゃないかとさえ思うのです。
都会からの転校生である神木君への周囲の反応もかなりベタだし、ちょっとした事がきっかけで周囲に溶け込んでいくあたりの流れもお決まりといえばお決まりなんだけど、その当たり前の部分に全く違和感を感じさせないのはそれを自然と納得させられるような雰囲気を神木君がちゃんと作っていたからこそだと思うのです。
今まで彼の出演作は見たことがありませんでしたが*1、これを見てちょっと彼のことが気になりだしました。
それと。
今まで大後さんの魅力がいまいち理解出来ませんでしたが、この作品を見て何となくその片鱗というか普通じゃない部分を見れたような気がしました。もっと具体的に書きたいのですが、言葉にはうまくまとまらないので今回は止めときます。
次いでストーリーについて。
この作品の一番の良さは、終わりというか物語の結末を最初から強く意識させられる点にあります。
冒頭、空港へ降り立った青年がコンクリートと一緒に埋め立てられてしまった靴について、そばにいたCAへ話し出すところから物語は始まります。そして空港建設反対の村のお話。どう考えても空港建設は行われてしまうのだという結末を知らされた上で、過去の話を追う事になります。
これだけ建設に反対してても、これだけいろんな事があっても結局は空港が出来てしまうという事実を踏まえる事で、もう戻らない過去がより一層美しく映えます。終わりを意識する事の大事さについて最近すごく思うところもあるので、なおさらそう感じたのかも知れません。
夏休みも終わりに近付いたこの時期にこそ、あえて見たくなるような夏休み映画でした。これはかなり強烈な作品。今まで奨めたのは見なくてもいいので、これだけはぜひ見て欲しいです。
公式サイトはこちら