- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2007/04/20
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高校2年生の紺野真琴は、故障した自転車で遭遇した踏切事故をきっかけに、時間を跳躍する能力を得る。
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?morephoto=ON&oid=6694
叔母の芳山和子にその能力のことを相談すると、それは「タイムリープ」といい、年頃の女の子にはよくあることだという。記憶の確かな過去に飛べる能力。半信半疑の真琴だが、ひとたびその力の使い方を覚えると、それをなんの躊躇も無く、日常の些細な不満や欲望の解消に費やす。世界は私のもの!
バラ色の日々と思われたが、クラスメートの男子生徒、間宮千昭や津田功介との関係に変化が。友達から恋人へ!? 千昭から思わぬ告白を受けた真琴は狼狽のあまり、その告白をタイムリープで、強引に無かったことにしてしまう。
やりなおされた「過去」。告白が無かったことになった「現在」。ところがその千昭に、同級生の友梨が告白。まんざらでもなさそうな千昭。さっきまで真琴に告白していたのに! 面白くない真琴。その上、功介にあこがれる下級生、果歩の相談まで受けてしまう。
いつまでも3人の友達関係が続けばいいと考えていた真琴の望みは、タイムリープでかえってややこしく、厄介な状況に。叔母の和子は「つきあっちゃえばいいのに」と、のんきなアドバイス。真琴は果歩の恋を成就させるために、タイムリープで東奔西走するのだが…。
先日「サマータイムマシンブルース」を見たときに、何で夏にタイムマシンなんだと思った覚えがあります。
その時は何となく思っただけで気にしていませんでしたが、この作品を見てその結びつきがよく分かった気がします。
まず、夏といえば開放感。これに尽きます。で、開放感に身を任せて失敗を犯すというのは多くの人がたどる道なんじゃないかと仮定してみます。
それでこの仮定が正しいとして、その場合に人が何を考えるのかというとその失敗を無かった事にしたいと思うはずなのです。だって失敗を失敗として認めるのって結構な精神的疲労を伴います。だからそれを消してしまいたい、無かった事にしたいと願うのは自然な発想だとまたまた仮定。
で。
そう思ったときに何が欲しいって、そりゃタイムマシンでしょってことになるんです。過去に戻る→帳消し。それで夏→タイムマシンっていう結びつきが生まれるというのが私の推論。完璧です。
そういえばこの手の時間旅行モノってほとんどが過去への旅なんですよね。未来へ行くお話はback to the futureくらいしか知りません。
# そういう作品も見てみたいので知っている人が居れば教えてください
たしかに。
いざ時間旅行が出来るとして、未来ではなく過去を見たいという気持ちは私にはすごくよく分かります。未来へ行って自分の死んだ後の世界を見るのも面白そうだけど、それよりも思い出として美しく残っている過去を見てみたいなと私は思います。死んだ祖母や祖父の顔をまた見たいなと思うし、ちょっとだけ孫の顔を見せてやりたいな、なんて思ったりして。後ろ向きなんだよなあ。
もうちょっと未来に目が向いてもいいよなあ...とは思うけどなかなか。
私の妄想はいいとして。
この作品の一番面白いところは、部分最適の積み重ねでは全体最適にはならないということをあらわしていることだと思います。真琴が自分の行動を逐一いいように修正したけども、どれもその場をいい方向に向けるだけで、最終的な結果としてよい方向へ働く事は何もありませんでした。真琴があがけばあがくほど、上手くいかなくなるのはかわいそうだけど面白かったな。ダメなリーダーに率いられたプロジェクトってこんな感じだな、なんて思いながら見てしまいました。
それと。
多くのタイムスリップモノって過去を変えちゃダメとか、過去の自分に会っちゃダメとか結構制限が多くて、その制限が話を面白くしているという感じだったのですが、逆にそのあたりのことは全部無視して時間の整合性とか全然考えなくても楽しめるのがこの作品の良さだと思うのです。
緻密にくみ上げられたストーリーのよさではなく、あくまで高校時代とタイムリープを楽しむ事に特化した雰囲気作品として、とてもよい作品だと私は思います。夏休み映画らしい作品で好きだな、これ。
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