花とアリス

http://www.amuse-s-e.co.jp/H&A/index.html

http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=3986から抜粋

なじみの中学生、ハナ(鈴木杏)とアリス(蒼井優)。

ハナは自由奔放なアリスにいつも振り回されている。
ハナの初恋もアリスの突然の一目惚れ宣言に付き合ううちにやってきた。
嫌がるハナを連れて、一目惚れした高校生を尾行しようとするアリスは
その彼と一緒に通学している高校生・宮本(郭智博)をハナに薦める。
そんなアリスに振り回されていく中、いつの間にかハナの心は変化し始めるのだった。

桜の花びらが舞い落ちる季節、そろって2人は手塚高校に進学する。
ハナは憧れの先輩・宮本が所属する落語研究会に入部して、
密かに仲良くなるチャンスを狙っていた。

そんなある日、意外なかたちでチャンスが舞い降りた?!
宮本に名前も知られていなかったハナだったが、
一途な想いでついてしまった嘘をキッカケに2人の距離はいっきに縮まるのだった。

だが、一筋縄でいかないのがハナの恋。
ある時、嘘がばれそうになり、なんとかごまかそうとハナはさらなる嘘をつく為に親友のアリスも巻き込んでしまう。
しかし、今度はその嘘をキッカケに宮本がアリスに恋心を抱き始めてしまう。
好きだからこそついた嘘が、嵐を巻き起こすことに……。

微妙に変化していくハナとアリスの関係。
友情と恋のはざまにとまどいつつ、
大人の階段を少しずつのぼり始める2人。

誰もが通り過ぎていく日常を独特の映像で瑞々しく、
そして、繊細で壊れやすい2人の心模様がやわらかな光で綴られていく。

冬の朝、朝の電車、バレエの練習、春…桜が散る風景。
作品全編から伝わってくる透明感がとても美しくそして儚い。正直、この年になると高校生の淡い恋心なんてものをストレートに表現されてしまうとなかなか直視出来ないのですが、それでもこの映像をいつまでも見ていたくてついつい見続けてしまいました。


ストーリーについては上記のとおり、直視出来ない部分も多かったのですが

    1. 頭を強くぶつけたせいで記憶喪失になったという嘘をあっさりと信じてしまう宮川君(郭 智博)
    2. なぜか中国語がペラペラでかっこいいアリスのお父さん(平泉成)


のあたりがいいガス抜きになってくれました。要所で笑いを撮る事で、私の心の中にピンと張られた気恥ずかしさが何となく緩く感じられたような気がします。これがなかったら最後まで見れなかったな。。。


ネット上での評判では蒼井優さんの代表作のような意見もありましたが、確かに彼女自身の魅力がここまで強調された作品は他には見たことはありません。それは映像自体の美しさによって殊更強調されている気もするのですが、それを差し引いても彼女の魅力を映し出すための作品だと言っても過言ではないと思います。
タイトルからしたら花とアリスは並列なのですが、実際には後半ほとんどアリスの話でした。そう考えるとハナの魅力がもう少し表現されててもいいですよね。宮川君に記憶喪失になってるんだとハナが言い聞かせてるシーンとか見てると杏ちゃん主体のシーンがもう少し欲しかったと感じられてなりません。


映像・音楽以外には特に惹かれることの無い作品でしたが、多くの人に支持されているだけのことはあってとても完成度の高い作品でした。これを見て岩井監督が関わっている作品は全部見て見たいという思いは一層強くなりました。
うーん。
結局、この作品が好きだと言うことなのかも知れません。