亀は意外に速く泳ぐ

http://kamehaya.jugem.jp/

前から気になってたシリーズ第二弾。上野樹里さんの出演作の中でも評価の高い作品なので前から見たいと思ってたのですが、なかなか見る機会に恵まれず今に至ってしまいました....。


ここから抜粋

主人公片倉スズメ(上野樹里)は、平凡な主婦である。

海外赴任中の夫との会話も、ペットの亀のことばかり。女友達扇谷クジャク蒼井優)との待ち合わせにも2時間も待たされる始末。そんな〈平凡な生活〉に飽き飽きしていたある日、駅の階段のへこみに「スパイ募集」の広告を発見する。

興味をそそられてその事務所を訪れると、そこに居たクギタニシズオ(岩松了)・エツコ(ふせえり)夫妻に〈ある国のスパイ〉であることを告げられ、「(スズメのような)典型的な平凡人こそスパイ向き、ぜひスパイになってほしい」と説得され、活動費として大金を渡される。クギタニ夫妻によるスパイ特訓は、次第にスズメの生活に張り合いを与えてくれるようになった。

しかし、〈平凡でいなければならない〉はずのスズメの生活に変化があらわれる。遊びにいった海岸で死体を発見したり、クジャクが行方不明になったりして、次第に世間の注目を浴びるようになる。公安当局にもマークされ始めてしまう。

そんな折ついに、秘密にされていたスパイとしての指令がスズメに下される。


↑のストーリーを見ていただくと分かりますが、話の展開から世界観から全部がはちゃめちゃ(笑)。
平凡な生活に飽きてきていたことと広告を見つけたことをきっかけにスパイになったスズメ(上野樹里)。スパイになったことで周囲に怪しまれないように平凡に過ごす事を考えながら過ごすスズメですが、案外普通・平凡を目指すことは難しいということに気付きます。ファミレスでの注文から買い物まで、如何に周囲の記憶に残らないように立ち振る舞うのかというその流れがもう面白過ぎ。そしてそれに真剣に取り組むスズメの姿に何だかほのぼのでした。
あとは要所に仕掛けられた笑いのエッセンスがどれもこれもツボで常に笑いっぱなしでした。加東先輩(要潤)の絡む話はどれもこれも最高でした。


それにしても上野樹里さんはコミカルな役柄が得意だというのは知ってはいましたが(のだめやスウィングガールズ見たイメージです)、この作品でのハジけっぷりもすごいです。「虹の女神」とか「幸福のスイッチ」のようなちょっときつい系の役の方が私は好きなのですが、こういう役柄も無理なく演じてしまえる彼女は本当に素晴らしいと崇拝したくなります。
あとは蒼井優さんは今までにない役どころでちょっと意外な感じでした。彼女へのイメージがある程度定着していたせいか、馴染めなかったというのが一番近いのかも。元気な感じの彼女も面白いとは思いますが...。


と、いった感じで作品自体は笑うところだらけなのですが、作品そのものについても日常の中にいる普通の人が実はスパイだったというその発想自体がかなり意外で面白かったです。スズメが自分は普通だという事を自認していたので、その反対の普通じゃないものとして取り上げられたのがスパイなのかと一人で納得してしまいました。
そういえば意外つながりで、タイトルの「亀は意外に速く泳ぐ」を見た時に、亀は泳ぐのは別に遅くないないだろうと心の中で突っ込んでしまいました。陸では遅いけどさ。知っててつけてるんだろうけど、何だかすごく気になるタイトルですね。


作品自体はもちろん面白かったのですが、舞台挨拶がまたこれに輪をかけて面白い。三木監督の喋りや上野さんや要君が面白くて、最後まで見てしまいました。これは映画館で見たかったです。