海でのはなし。

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初の渋谷で映画鑑賞です。渋谷は映画館が多くて本当にうらやましいです。うちの周りにもあれだけの映画館があればなぁ...と思わずには居られませんでした。普段の生活は田舎が最高ですが、こと、趣味に関してだけは都内の方が絶対にいいですね。。。
なんて思いながら悠長に構えていたせいではありませんが、映画館への道が全く分からず死ぬほど迷ってしまいました。いや〜、ホント事前準備もせずに行った罰ですね。もう見れないのかと思いました...。


http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=57から抜粋。

誰かを大事に思うこと。ちっぽけだけど、いちばん大切なこと。
ごく普通の家庭で両親の愛を一身に受け、珍しいくらいまっすぐに育ってきた女の子、楓。でもある日楓は、母親が父親の愛人だったことを知ってしまう。お父さんには、私たち以外に本当の家族がいる…。傷ついた楓はが向かったのは、博士のいる場所だった。楓より少しだけ大人で、とぼけたことばかり言う博士は、楓にとっては近くて遠いひと。そして、とても大事なひと。恋とかそういうのじゃなくて、もっともっと深い何かで繋がっているような。
博士は、誰ともあまり関わりをもたずに生きてきた。傷つかないですむし、そのほうが楽だからだ。でもいったいいつからだろう。両親を愛するさえできなくなったのは…。
二人を乗せた車は海へと向かう。くだらないおしゃべり。真夜中の浜辺。闇から響く波の音。ことばは途切れながらも続いてゆく。そしておとずれる、やさしい朝。楓と博士。不器用な二つのこころは少しずつ寄り添って。
小さなことがぜんぶ大切。たとえそれが答えじゃなくても。誰かを大事に思う気持ちがあれば、自分のことも、自分以外の誰かのことも、きっともっと愛せるはずなんだ…。
スピッツの切ないメロディーにのせてそっと紡がれてゆく、優しい物語が生まれました。


まず始めに作品について一番強く感じた感想は、欲張ってしまったのがもったいないという想いでした。
この作品は、宮崎さんと西島さんふたりだけのシーンがかなり多いのですが、そのシーンごとにスピッツの曲が散りばめられています。その曲とストーリーのイメージがあまりに乖離しているシーンがいくつかあり、そこには無理をしてスピッツを詰め込まなくてもよかったんじゃないかと感じています。
切り口としては、「スピッツの音楽メインの作品」と「宮崎あおいさんと西島秀俊さんの二人をメインにした作品」の二つを別々に作った方が、もっと面白い作品が作れたんじゃないかなと思わずには居られませんでした。


それとシーンの切り替わりに伴って曲が突然切れるところが残念でした。映像メインなのでしょうがないのですが...。


あとは西島さんが舞台挨拶で述べられていたとおり、出演者のエキスが濃縮されたぜいたくな作品だったと思います。一つ一つのシーン・台詞が長かったために二人の演技力というエッセンスを楽しむことが出来ました。本当にみんなよく喋ってるし、演出が無駄に多くなかったのもよかったのかなと思います。
私は西島さんも宮崎さんも大好きだし、スピッツも大好きですので私の趣味嗜好に沿っているいった点ではこれ以上の作品は考えられません。まさに、大好きな新米に大好きな卵をかけて食べるような、そんなささやかな贅沢を感じさせてくれた作品でした。


ストーリーはこの長さで語り尽くすには難しいテーマを扱っている上に、作品中でも多くは語られていません。もちろん行間を読むことも必要ですが、それにしてもちょっと端折り過ぎてるというイメージは残りました。
なので、とにかく主演の二人の演技が好きだとか菊地凛子さんが見たいとかスピッツが関わるものは全部みたいという理由でもなければ、楽しめない作品だと思います。そこだけはガチです。


ちなみに菊地凛子さんは最近話題になってたのですが、まさかこの作品で見られるとは思ってもいませんでした。予想外でちょっと嬉しかったかな。


で、舞台挨拶については初めてだったので楽しみにしていましたが、その期待以上の素晴らしさでした。立ち見席だったのですが、舞台と最前列の近くにいたために数メートル先に宮崎あおいさんや西島秀俊さんがいるというむしろ普通に座るよりもおいしい場所で見る事が出来ました。今後、舞台挨拶を見に行くことがあったとしてもあれだけの距離で見れることは無いと思います。一緒に行った友達と二人で幸せを噛み締めてました(笑)
宮崎あおいさんは手元が妙に落ち着かないあたり、ちょっと緊張しているようすでした。あれだけ狭い場所にあれだけの人が居たらそりゃあがりますよね...。西島さんはホントかっこよかった。外見はもちろん声がかっこよすぎです。同性から見てもかっこいいんですもん、女性からみてかっこよくないわけがありません。今日から彼を真似してクールにしてみます。
大宮エリーさんは主演二人に「とにかく面白い人」と評されるだけあって、話し方も独特で面白そうな方でした。今回は本当に短い作品だったので、ぜひもっと長い(120分くらいの)作品も撮って欲しいなと思っています。


初の舞台挨拶付きの上映だったのですが、時間が経つのを忘れるくらい楽しい時間をすごせました。機会を作ってまた舞台挨拶を見に行きたいです。




[追記]
舞台挨拶の記事が出てました。
http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=2441